ルビジウムは反応性が極めて高いアルカリ金属元素です。
水に入れると激しく反応し水素を発生させ、その反応熱によって爆発を起こします。
空気中でも自然発火するので、反応性の低い希ガスを充満させたガラスの中で保存したりします。
セシウムやリチウムを精製する際の副産物として得られたり、リチア雲母やカーライトなどの鉱石に不純物として含まれます。
ルビジウムの語源
ルビジウムは1861年にドイツの科学者キルヒホッフ、ブンゼンらによって発見されました。
リチア雲母を分光装置で分析することで存在が明らかになりました。
ルビジウムを燃やすとリチウムに似た赤色を示すことが分かりました。
このことからラテン語の“赤い(ruber)”に由来し、ルビジウムと名付けられました。
宝石のルビーも同じ言葉に由来します。
ルビジウムの用途
ルビジウムの用途としては原子時計や年代測定があります。
原子時計に使われる原子としてはセシウムが採用されている場合が多いですが、ルビジウムも安価で小型化が簡単なため広く使用されています。
一般的なセシウム原子時計の誤差を100万年に1秒程度あるのに対し、ルビジウム原子時計の誤差は、30万年に1秒程度と言われています。
年代測定としては、“ルビジウム・ストロンチウム法”があります。
放射性同位体であるルビジウム87がベータ崩壊(原子核が電子や陽電子を放出して別の原子核に変化する現象)を起こして、ストロンチウムに変わる現象を利用した年代測定方法です。
ルビジウム87の半減期が488億年もあるので、数億年単位での年代測定が可能です。
宇宙の年齢が138億年なので、その3倍もの半減期となるとスケールが大きすぎてイメージできないですね。
そのお陰で隕石などの年代測定にも役立っている元素です。
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