科学

コーヒーと座り過ぎによる健康リスクの関係(蘇州大学)

科学

アフリカ大陸が発見されて以降、長い歴史を経て、コーヒーを飲むという文化が世界中に浸透しました。

 

あるところでは秘薬として重宝され、またあるところでは悪魔の飲み物として忌み嫌われていました。

 

しかし、科学が進むにつれコーヒーが持つ魅力と共に、その健康効果も明らかにされ、誰もが気軽に楽しめるパンチの効いた飲み物として人気となっています。

 

コーヒーには、クロロゲン酸をはじめカフェインなど様々な化合物が入っていますが、それら一部または複数の物質による相乗効果によって、病気の予防や健康効果が期待されることも知られています。

 

今回は、そんなコーヒーの健康に関する研究の一つがテーマです。

 

参考記事)

Drinking Coffee May Lower Risk of Death From Too Much Sitting(2024/06/25)

 

参考研究)

Association of daily sitting time and coffee consumption with the risk of all-cause and cardiovascular disease mortality among US adults(2024/04/17)

 

 

コーヒーと座り過ぎの健康リスク軽減

 

中国蘇州大学の研究によると、毎日コーヒーを飲む人は、1日6時間以上座ることによる悪影響を軽減する可能性があることが示唆されています。

 

研究では、2007年から2018年の国民健康栄養調査に記録されている米国の成人の10,639人対象に、コーヒーの摂取量と座りっぱなしの生活による健康リスクとの関係を調べました。

 

参加者のうち、945人が調査中に死亡し、その後13年間の追跡期間中に284人がCVD(脳血管障害)で死亡しました。

 

調査は、1日に8時間以上座っている場合と、1日に4時間未満しか座らない人が比較され、全原因(HR:1.46;95%CI、1.17-1.81)およびCVD(HR:1.79;95%CI、1.21-2.66)死亡率の高い病気と関連していることが示されました。

 

コーヒーを飲まずに座りがちな生活をしている人と比較すると、コーヒーを飲む人は13年後にすべての原因で死亡する可能性が1.58倍低いことが示唆されました。

 

コーヒーを飲むことは、座りがちな生活習慣からくる心血管疾患による死亡、および全原因死亡率との関連を評価した最初の研究です。

 

トレーニングジム、スポーツなどの運動もよく知られる健康的な習慣の一つです。

 

しかし、運動をしている人であっても6時間以上の長時間座っぱなしは、2型糖尿病、心臓病、脳卒中などのことの長期的な健康リスクがの増加につながるとされています。

 

血液中のカフェインは、2型糖尿病や心血管疾患を発症するリスクを減らすことも分かっており、カフェイン抜きのコーヒーであっても、代謝を高めたり抗酸化物質によって炎症を軽減する効果が期待できることが分かっています。

 

どれくらい摂取すればいいのかは、今後の研究によって明らかにされたいところですが、今年初めに発表されたワーゲニンゲン大学の研究では、1日に少なくとも5杯飲んだ大腸がんの人は、1日2杯未満飲んだ人よりも病気が再発する可能性が32%低いことがわかりました。

 

また、全ての死亡原因のリスク低減に最も効果的だったのは、毎日3〜5杯のコーヒーを飲む習慣がある場合でした。

 

逆に5杯からはその効果は薄れ、死亡リスクが少しずつ上がっていくことも分かりました。

 

蘇州大学の研究者は、「コーヒーは複雑な化合物の集まりであり、この化合物を探求するにはさらなる研究が必要である」と述べています。

 

 

まとめ

・運動している人であっても、6時間以上座って作業している場合には病気のリスクが上昇する

・コーヒーを飲む習慣がある人は、そういった病気のリスクが減る

・別の研究では毎日3~5杯のコーヒーが最も病気のリスクが低かった

・逆に、5杯を超えるとコーヒーのリスク低減効果は薄れる

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