この記事は、書籍「世界はラテン語でできている」を読んで興味深かった内容について抜粋して紹介する記事です。
この本は、古代ローマから用いられてきた言語が現代にどのように残っているのかについて書かれています。
政治、宗教、科学だけでなく、美術やゲームなど幅いジャンルに浸透している言葉について知ることで、世の中の解像度が上がって世界が少し楽しくなるかもしれません。
今回のテーマは“history(歴史)とstory(物語)”です。
history(歴史)とstory(物語)
~引用&要約〜
世界史を語るうえでまずは、history「歴史」とstory「物語」という英語の語源を探っていきましょう。
私自身、historyの語源については様々な説明を見聞きしてきました。
例えば、「historyの語源はstoryだ」や、「時の権力者の物語、his(彼の) story(物語)だから」などです。
結論から言うと、上に挙げた例はどちらも不正確です。
historyの語源は、主に「探求、記述、歴史、物語」を指すラテン語の“historia”です。
古典ギリシャ語のἱστορία (historíā)「探求、歴史、物語」が元となっています。
一方、storyの元は、古フランス語のestoire(年代記、歴史)です。
この言葉も語源をたどるとラテン語のhistoriaです。
したがって、historyもstoryも同じ語源に遡ることができるのです。
実は、これは既にALISにて0-M0T0Kさんが説明されている内容でもあります。
やはりその記事でも、historyはhis storyではないと述べられています。
中世の英語では、storyとhistoryは区別なく使われており、時代が進むにつれてそれぞれの単語が担う意味が分かれてくるようになったそうです。
また、二階建ての家を“two-story house”と言いますが、ここで使われるstoryも中世ラテン語のhistoriaからきています。
historiaには「階」という意味もあるのですが、これは「キリスト教に関する“物語”の場面が彫刻されるような、教会の一部分」という意味があとからついてきたからです。
使われ方によって、時間とともに様々な意味に派生していったことが分かりますね。
こういった感じで、豆知識のように本から学んだ内容をまとめていきます。
次回は歴史(history)から関連して、ローマ帝国に関するラテン語です。
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