科学

【研究】ハグが痛みや精神的苦痛を和らげる(ルール大学)

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子どもが母に抱っこされたり、誰かが誰かとハグをしたりと、抱き合うという行為に安心感を得られることを体で感じている人は多いと思います。

 

今回紹介するの、科学的に証明されているハグと健康の関係についてのお話です。

 

過去212件の研究を対象とした新たなレビューから、ハグやそれに近い身体的接触は、あらゆる人々において身体的、精神的な健康に役立つ可能性があることが示されたようです。

  

以下にまとめていきます。

  

参考記事)

Science Confirms Hugs Can Ease Pain, Anxiety, And Depression(2024/04/17)

 

参考研究)

A systematic review and multivariate meta-analysis of the physical and mental health benefits of touch interventions(2024/04/08)

 

 

ハグが及ぼす精神的な効果

  

ドイツのルール大学とオランダ神経科学研究所の研究チームは、身体的接触によるメリットついて、過去212件の研究合計12,966人の参加者を対象として大規模な分析を行いました。

 

ルール大学の神経科学者ジュリアン・パックハイザー氏は、「他人と身体的な接触をすることが健康に良い効果をもたらすことは認識していましたが、具体的にどのような効果が期待できるか、どのような方法が効果的なのかについては不明のままでした」と述べています。

 

分析の結果、ハグなどの身体的接触は、痛み、憂鬱さ、不安といった感情を軽減するのに役立つことが示されており、子どもと大人の両方で効果が観察されました。

 

中でも、頭や顔に触れることは最も効果的なようです。

 

また、軽いタッチを頻繁に行うことで、よりポジティブな反応が得られました。

 

興味深いことに、毛布や抱き枕、ロボットなどの無生物による接触は身体的健康には役立ちますが、精神的健康には影響しないことも分かりました。

 

生まれたての赤ん坊も触れ合いからによって精神的な恩恵を受けますが、親からの触れ合いの方が良い影響は顕著に大きいことが研究で判明しました。

  

また、身体的接触は、年齢を重ねるにつれて、身近な人かどうかは重要ではなくなり、他人であってもポジティブな効果を得ることができるとされています。

 

このような大規模なメタ分析は、集団全体で大きなパターンを特定することには役立ちますが、接触による個別の効果までは特定することができません。

 

つまり、あなたがハグによって精神的苦痛が和らぐのか、それともその他の身体的な接触が必要なのかを判断するには不十分であるということです。

 

しかし、多くに人にとって、他人と接触する時間が多くいことで、健康面では様々な恩恵を受けることができることがデータによって示されています。

 

もしかしたらハグには、私たちが知らないメリットがまだ隠れているのかもしれません。

 

パックハイザー氏は、「家族や友人をハグしたくなったら、また相手から求められたら際は遠慮しないでください」と述べています。

 

この研究はNature Human Behaviorにて詳細を確認することができます。

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