“病気のときにはチキンスープを飲む”。
西暦60年、ローマ皇帝ネロの治世下では医者のペダニウス・ディオスコリデスによってチキンスープの効果が医学書として記され、起源を辿るとその何千年も前の古代中国にまで遡ります。
古代から経験として身体に良いものとして知られてきたチキンスープには一体どんな効果があるのか。
単なるプラシーボ効果なのか、心理的だけでなく実際に病気のときに飲む利点はあるのか。
今回はそんなチキンステーキと健康効果に関する話題です。
参考記事)
・Chicken Soup Has Been a Remedy For Thousands of Years… But Why?(2023/10/28)
チキンスープと科学的知見
フロリダ国際大学の栄養学教授Colby Teeman氏は、この疑問についてチキンスープの魅力とともに語っています。
・食欲と消化の改善
アミノ酸はタンパク質の構成要素であり、そのアミノ酸によって作られるグルタミン酸はうま味成分です。
このうま味成分によって食欲の増進が見込まれることは、チキンスープが食欲を増進させることの理にかなっています。
過去の研究では、チキンスープの味(うま味)を感じることは、治癒特性に大きな影響があることが示されています。
上気道疾患の患者は、彼らの多くが突然食べる量を減らしたり、全く食べなくなることがあります。
これは、急性疾患が食欲を低下させる炎症反応に影響するためです。
食欲がないということは、必要な栄養を得るタイミングを失っていることを意味します。
ある研究では、チキンスープのうま味が、食欲を大きく刺激するのに役立つかもしれないことが示唆されています。
この研究の参加者は、チキンスープのうま味を味わった後、より空腹を感じたと述べました。
また、脳が舌の味覚受容体を通してうま味を感知すると消化が促進され、タンパク質の吸収効率がアップすることも分かっています。
・炎症の軽減
炎症は、怪我や病気に対する体の自然な反応の一部で、白血球が炎症を起こした組織に移動して治癒を助けます。
この炎症過程が上気道で起こると、鼻づまりや鼻水、くしゃみ、咳、粘液の増粘などの一般的な風邪やインフルエンザの症状が発生します。
逆に、鼻腔の白血球活性を下げると、炎症を軽減することができます。
そして興味深いことに、ある研究では、チキンスープが炎症を起こした組織に移動する白血球の数を減らすことができることが示されています。
これは、白血球の一種である好中球が炎症を起こした組織に移動する能力を直接阻害することによるものと考えられています。
・主成分
チキンスープの効果を理解するには、スープの材料に着目することが重要です。
すべてのチキンスープに高い栄養素が詰まっているわけではありません。
例えば、加工された缶詰などのチキンスープは、自家製のものに見られるような抗酸化物質の多くを失っていることがほとんどです。
自家製のスープの栄養素は、缶詰とは一線を画しています。
鶏肉には、感染症と闘うための完全なタンパク源があり、野菜はさまざまなビタミン、ミネラル、抗酸化物質があります。
チキンスープの温かいスープを飲み、蒸気を吸い込むことで、鼻や呼吸器の温度が上昇し、呼吸器系の病気によくつきまとう粘液が流れやすくもなります。
お湯だけの場合と比べ、チキンスープの方が粘液を緩める効果が高いという研究結果もあります。
これらのことからチキンスープは、風邪やインフルエンザの完全な治療薬ではないにせよ、治癒に大いに役立つと言えるでしょう。
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