生活科学

ミルクティー中毒と思春期のうつ病の関係

生活

  

1992年のココナッツミルクブームとともにタピオカミルクティーが日本でも認知されるようになってきました。

  

2018年には再びタピオカミルクティーがブームになり、そのとろけるような甘さとタピオカの不思議な食感に魅了された人も多くいるものと思います。

  

現在タピオカブームは去りましたが、ミルクティーはコンビニでも手軽に手に入る定番の飲み物となっています。

  

そんなミルクティーが実は精神に影響を及ぼす可能性があるとしたら……。

  

今回はそんな飲み物についてのある研究の紹介です。

  

参考記事)

Rising Addiction to Milk Tea Linked to Depression in Adolescents(2023/10/02)

  

参考研究)

New form of addiction: An emerging hazardous addiction problem of milk tea among youths(2023/08)

 

 

ミルクティーとうつ病の関係

  

中国の清華大学と中央財経大学の研究では、ミルクティーには中毒性がある可能性が見られることに加え、うつ病や不安症などの問題と関連していることが分かったと報告しています。

  

北京の大学生5,281人を対象に調査したところ、ミルクティーに対して持続的な欲求や過剰摂取などの要因が見られ、一部の若者が依存症の兆候を示している証拠を発見したとされています。

  

付随するアンケートでは、調査対象者のほぼ半数が、週に少なくとも1杯以上はミルクティーを飲むと答えました。

 

また参加者は、抑うつ症状、不安症状、自殺念慮、ミルクティー中毒症状(ミルクティー摂取、依存、罪悪感、禁断症状、耐性、やめられない、渇望、やめる意思など)を自己申告しました。

  

ミルクティー中毒の基準は以下の通りです。

1)ミルクティーを意図した量よりも多く、長時間消費する

2)持続的な渇望を経験するか、やめようと努力してもうまくいかないことが繰り返される

3)苦痛を感じたときにミルクティーの摂取に頻繁に頼る

4)有害な結果を認識しているにもかかわらず、ミルクティーを継続的に使用する

5)所望の効果を得るためにはミルクティーの量を増やす必要があるという耐性を獲得する

6)ミルクティーの摂取を中止または減らすと禁断症状を経験する

 

ミルクティーは砂糖が添加されているため、加糖飲料=sugar-sweetened beverage(以下SSB)に分類されています。

  

2014年の研究ではミルクティーには、砂糖だけでなく茶葉由来のカフェインも含まれていることが多く、この種の飲み物が思春期の若者の気分の落ち込みや社会的孤立につながると懸念されています。

  

また、SSBを繰り返し摂取すると、快楽神経系に適応が生じ、これは食物中毒における耐性の発達と似ていることも分かっています。

  

これらの研究は原因を特定するために行われたものではありませんが、こういった種の飲み物の人気が高まっていることを考えると、潜在的なリスクを調査する必要があると言えます。

  

観察結果を説明する1つの可能性として、青年期はリスクをとる行動や新奇性を求める行動が増加する敏感な発達段階であり、報酬に関連する脳領域の洗練と関連していることが挙げられます。

  

このように物質の報酬特性に対する感受性が高まり、その悪影響に対する感受性が低下することが、ミルクティー中毒の発症に関与している可能性があると考えられます。

  

これらを受けて研究者たちは、地域の若者たちが、感情をコントロールする方法としてミルクティーを使用している可能性を示唆していると考えています。

  

研究チームは、肥満や虫歯から依存症やうつ病に至るまで、ミルクティーと関連する可能性のある身体的・精神的問題を予防するための対策を講じるよう勧告しています。

  

また、研究者たちは「今回の研究結果は、若者の精神的健康を守りつつ、広告の制限、心理教育の提供、このような若者を中心とした消費産業のための食品衛生基準の確立などの規制を策定する際に役立つだろう」と述べています。

  

個人的にもコンビニで売られているようなミルクティーはオススメしません。

  

精製された砂糖(異性化糖液)、植物油脂に乳化剤など体に良いものは一つとして入っていません。

  

百歩譲って紅茶成分に含まれるポリフェノールなどがありますが、おそらく市販のミルクティーをポリフェノール目当てで買っている人はいないと思います。

  

市販の砂糖や植物油脂入りのミルクティー(に限らず異性化糖入の清涼飲料水)は、体の炎症を大きく助長させてしまう作用があります。

   

もし飲むのなら、乳糖不耐の有無など牛乳と腸の関係が悪くないことを確認した上で、ミルクに紅茶を入れて甘くないミルクティーを飲むことが適切でしょう。

  

健康的に生きるためにはそういった飲み物も選ぶ必要があるということですね!

  

そういったものを口にすることが習慣化されている場合は、きっぱりやめることは難しいと思いますが、知識があればこの先無意識に量を減らしたりすることも可能です。

  

それに試しに一月程甘いもの断ちをして、その後実験的に清涼飲料水やパンケーキなどを食べてみると、明らかに肌の調子や腸の調子、体調の変化を感じることができます。

  

その中で自分の体調を害さない許容量を見つけられたら良いかもしれませんね。

  

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