生活科学

【研究】科学者が警告、欧米食がアルツハイマー病の危険因子に【要約】

生活

2020年を超えたいま認知症は全世界で5000万人以上が発症すると言われており、その数は着実に増加しています。

  

日本では65歳以上のおよそ16%以上が認知症とされています。(東京都健康長寿医療センター研究所調べ

 

そんな認知症ですが、食生のタイプの中でも欧米型の食事に注意が必要だという大規模な分析結果が出ています。

 

今回はそんな欧米型の食事と認知症についてのお話です。

 

 

参考記事)

Western Diet Identified as Risk Factor For Alzheimer’s Disease, Scientists Warn(2023.05.15)

 

参考研究)

Effect of nutrition in Alzheimer’s disease: A systematic review(2023.05.4)

 

 

欧米型の食事とアルツハイマー  

 

アルツハイマーを治療する方法は未だに分かっていませんが、科学者たちはアルツハイマー病の発症リスクを高めるものや、下げるものについてより多くのことを研究しています。

 

この要因の一つが、私達が慣れ親しんできた欧米型の食生活のようです。

 

過去5年間に行われた38の先行研究を分析した結果、欧米型の食事パターンが、軽度から中等度のアルツハイマー病発症の危険因子であることが明らかになりました。

 

一方、地中海式の食事、ケトジェニックダイエット、オメガスリー脂肪酸とプロバイオティクスを用いた食事療法は、アルツハイマー病を軽度から中等度予防するようです。

 

中国の複数の研究機関の研究者は、食生活の見直しがアルツハイマー病やその他の認知症の発症リスクを低減し、認知機能に与えるダメージを軽減する方法の一つになり得ると提案しています。

 

食生活による栄養介入は、アルツハイマー病患者の認知機能とQOL(クオリティー オブ ライフ=生活の満足度)を改善、また病気の進行を遅らせることもできたようです。

 

アルツハイマー病の原因は分かっていませんが、脳内にアミロイドβタンパク質やタウタンパク質の塊が蓄積し、思考や記憶を司る神経細胞が破壊されることが分かっています。(これら変異したタンパク質が直接の原因かどうかは未解明)

 

食事に関する研究結果によると、飽和脂肪酸、砂糖、塩分を多く含む欧米型の食生活が、体内や脳に炎症を起こす原因のひとつとされています。

 

酸化ストレスが少なかったりや炎症が軽減される傾向にある人は、アミロイドβたんぱく質の蓄積も低いと研究者は述べています。

 

地中海式の食事は、全力穀物、果物、野菜、魚介類を多く含み、ケトジェニックダイエットは、高脂肪低炭水化物の食事療法です。

 

ケト食は、健康全般においてリスクがないわけではないため、医師と相談しながら利用し、個人の判断で進めるべきではないと注意喚起もされています。

 

食事がアルツハイマー病とどのように関係しているのか、そのメカニズムはまだ明確されていませんが、今回の研究分析によって、私たちが食べたものが脳にどのような影響を与えるのかを科学者がより正確に把握することができるようになりました。

 

今後も、栄養とアルツハイマー病の関連についてより深く研究することが期待されています。

 

 

欧米型の食事のメリット&デメリット

 

日本の食生活は、戦後大きく変わりました。

 

それまで、ご飯に味噌汁、漬物に焼き魚などが一般だった食事が、小麦や牛肉などの欧米型の食事に置き換えるようになりました。

 

こういった欧米型の食事は、戦後の食糧難や栄養不足を解消するために大いに役立ちました。

 

そっからしばらくたった現在では、そういったものから発展した欧米型の食事が浸透した社会になっています。

 

では、欧米型の食事のメリットやデメリットはどのようなものがあるのでしょうか。

 

欧米型の食事のメリット

欧米型の食事に代表されるパンは、手軽に食べられるという点が挙げられます。

 

朝の貴重な時間を節約でき、すぐに自分のやるべきことに取り掛かることができます。

 

携帯しやすいという点もメリットであり、ご飯に比べてトータルで摂取する塩分も低くなりやすいという特徴があります。

 

また、牛肉などによって上質なタンパク質を摂取することができ、効率的に筋肉を作ることができます。

 

良質なタンパク質を摂取することで、身体機能の向上や筋肉による体内での熱の生産が効率化され、冷え性防止にも役立ちます。

 

ハリのある肌を作ったりするのも、コラーゲンやアミノ酸などタンパク質の影響です。

 

欧米型の食事のデメリット

欧米型の食事のデメリットとして、肥満や塩分過多、生活習慣病などの健康的なトラブルが挙げられます。

 

和食と比べるとメインが肉ということで、脂質が多くカロリーが多い食事になりやすいです。

 

肉やパンを焼く際に使用する油によって、飽和脂肪酸の摂りすぎやコレステロール値の上昇、中性脂肪が増え血液がドロドロになった挙句、動脈硬化などの生活習慣病のリスクが高まります。

 

こういった良い面と悪い面を踏まえた上で、欧米型の食事は週に一度にするなど、和食や地中海型の食事なども交えながら楽しむといいと思います。

 

 

まとめ

飽和脂肪酸、砂糖、塩分を多く含む欧米型の食生活が体内での炎症を促進する

・炎症が多い人は、認知症のリスクも高くなる

・欧米型の食事にはメリットもあるが、デメリットもある

 

以上、欧米型の食事とアルツハイマー病に関する研究についてのまとめでした。

 

ハンバーガーやフライドチキンなど、欧米型の食事には、聞くだけでもよだれが出てきてしまうようなメニューが沢山あります。

 

かつては栄養不足を補う効果もあったようですが、現代では栄養過多な気がしますね。

 

誕生日やお祝い事など、そういった節々で楽しんでいきたいですね!

 

私ごとですが、贔屓にしていたハンバーガー屋さんが潰れてしまって、そういったものを久しく食べていません。

 

今度の機会には率先して食べたいです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました