生活科学

【研究】認知機能の低下を食い止める鍵は、食事・運動・社会生活【要約】

生活

  

今までの記憶が失われ、もこれまでできていた行動もできなくなってしまう認知症。

  

誰しも認知症にはなりたくないと思いながらも、生きている限りはそのリスクに晒されています。

  

今回は、そんな認知機能の低下を食い止めるにはどんな手段があるのかについての話です。

  

2023年3月23日にScience Alertにて掲載された記事からまとめていきます。

  

参考記事)

MIT Neuroscientist Says The Key to Staving Off Dementia Is No Secret(2023.3.23)

参考研究)

Association between healthy lifestyle and memory decline in older adults: 10 year, population based, prospective cohort study(2023.1.25)

 

  

研究結果

マサチューセッツ工科大学の脳認知科学科教授Li-Huei Tsai教授主導の研究で、認知機能を維持するために必要なこと健康的なライフスタイルにあるという結果をだしました。

研究で定義された健康的なライフスタイルとは、

・健康的な食事をする

・運動習慣がある

・定期的な社会的接触がある

・能動的な認知活動がある

・喫煙を控える

・アルコールを控える

というものでした。
 

研究では、中国に在住する60歳以上3万人を対象に10年の間ライフスタイルの追跡調査をしました。

調査から、健康的なライフスタイルに則った生活を送った対象者は、そうでない人よりも記憶力の低下が遅いことが分かりました。

 

 

ライフスタイルの調査

調査では、以下の項目からそれぞれグループ分けをします。

  

・健康的な食事をする

果物、野菜、魚、肉、乳製品、塩油、卵、シリアル豆類、ナッツ、お茶など、12品目のうち少なくとも7種類を毎日食事に取り入れていること

  

・運動習慣がある

1週間の内に、少なくとも150分の中程度の活動、または75分の激しい運動をしていること

  

・定期的な社会的接触がある

友人や親戚を訪問したり、会議に出席したり、少なくとも週に2回オンラインチャットなどでコミュニケーションをとること

 

・能動的な認知活動がある

少なくとも週に2回、カードゲームや麻雀などのテーブルゲームや、本を読んだり書いたりすること

  

・喫煙を控える

少なくとも3年以上喫煙していないこと

  

・アルコールを控える

アルコールを習慣的に摂取しないこと

 

これらの習慣のうち、4〜6の項目をクリアしたものは“好ましいグループ”に分類されました。

  

2〜3の項目をクリアしたものは“平均のグループ”に分類されました。

  

また条件の達成項目が1つ以下の参加者は、“好ましくないグループ”に分類されました。

  

調査開始から10年間、対象者に記憶力の標準的なテストを実施し、時間の経過に伴う記憶の変化を追跡するように求めました。

  

好ましいグループが最もテストによる記憶力の低下が抑えられました。(下図の紫線より)

  

Association between healthy lifestyle and memory decline in older adults: 10 year, population based, prospective cohort study  より

 

中でも最も影響を与えていたライフスタイルは、“健康的な食事”の習慣でした。

  

次から順に、能動的な認知活動、定期的な運動、社会的接触、喫煙の有無、飲酒の有無でした。

  

今回の研究は、前向きで健康的なライフスタイルが、記憶力の低下を潜在的に変更できるという証拠を提供できます。

  

今後、これらのメカニズムの解明によって、認知症の予防や治療に貢献できるような装置の開発など、さらなる発展が期待されています。

 

  

まとめ

・人は加齢とともに記憶力や認知機能が低下する傾向にある

・良いライフスタイルは、認知機能の低下を遅らせるのに役立ちます

・良いライフスタイルの中でも、健康的な食事、社会的接触を持つこと、定期的な運動が効果的

  

以上、認知能力の低下を防ぐライフスタイルの研究でした。

  

食事では、コンビニの揚げ物や劣化した油、大量生産された質の悪い油を摂ることは、脳へのダメージが大きいとされ、真っ先に控えるべき物の一つと言われています。

  

今回の研究でも、口に入るものが真っ先に記憶力の低下に繋がっていくことが分かりました。

  

また、運動よりも社会的接触の方が、影響が強いというのも新たな発見です。

  

役員として一緒に所属したり、定年後もボランティアなどで社会と接触していることによって、脳機能の低下が抑えられることはさまざまな研究で明らかになっています。

  

逆に定年後に時間が有り余り、これから始めることも見つかない状態にある人などは、認知症の発症リスクもかなり大きいとされています。

  

そう考えると、老後もある程度自分の活躍できる何かを準備する必要があるのかもしれませんね。

コメント

  1. Love and smile より:

    とても素敵なサイトですね!
    また遊びにきます。

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