無数の星が並んだように見えるこの画像。
実は全て超大質量ブラックホールなのです。
来年、ライデン大学をはじめとする国際天文学者のチームは、低電波周波数による最も詳細なマップを公開しました。
今回はそんなブラックホールついての話題を、2023年2月23日にScience Alartに掲載された記事を参考にまとめていきます。
参考記事)
The White Specks in This Image Aren’t Stars or Galaxies. They’re Black Holes(Science Alart)
Astronomers publish map showing 25,000 supermassive black holes(Universiteit Leiden)
参考研究)
The LOFAR LBA Sky Survey 2021年4月
25,000個のブラックホール
2021年に初めて公開されたこの画像は、およそ25000個の点が見て取れます。
ブラックホールがただ宇宙に存在する時、検出可能な放射線などを放出しないため、見つけることが困難になります。
それに対し、ブラックホールが物質を自身の重力によって落とし込んでいる場合、排水口に吸い込まれる水のように周りに影響を与え何らかのサイン(波長)が出されます。
今回の研究では、オランダ、ドイツなどヨーロッパ各国に配置されているLOFARを用いて、このサインを検出し画像として処理しました。
LOFAR(LOw Frequency ARray)は、地球から観測できる最も低い周波数を感知できる電波望遠鏡です。
各地に配置されることで、単一望遠鏡とは異なる大量のデータを受信でき、それらのデータを処理するための高性能なネットワークインフラを備えています。
100メガヘルツ未満の周波数を高解像度にイメージ化できる唯一の電波望遠鏡でもあります。
通常、長い電波波長での観測は、地球を取り囲む電離圏によって複雑に歪められます。
この電子の層は、プールの中から空を見上げた時、水面が視界を歪めてしまう状態に似ています。
今回の観測では、その課題に取り組むため、北天の4%を対象としておよそ256時間の観測を組み合わせました。
電離層の影響を4秒ごとに修正するアルゴリズムを備えたスーパーコンピューターを用いて観測結果に反映。
その結果、画像のような無数のブラックホールの存在を可視化することができました。
今後は、北天全体を観測することや宇宙の大規模構造を明らかにすることを目標として観測が続けられています。
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