今回からテーマは石炭紀に移行!
アーケオプテリスをはじめとする植物が森を形成したことによって、翅(はね)を持つ昆虫やムカデのような多足類が地上に多く現れた時代です。
また年間を通して高温多湿な気候だったその時代、昆虫を狙う両生類や爬虫類の祖先も繁栄していきました。
そんな石炭紀の先鋒として紹介するのは“プロトファスマとアプソロブラッティナ”です。
現代では忌み嫌われるゴキブリの祖先について触れていきます……。
プロトファスマ
プロトファスマは石炭紀に存在した肉食性の昆虫です。
体長13.8cmほどで現代のゴキブリよりも頭は小さく体は細いです。
今のゴキブリよりもちょっと大きいくらいですね!
ゴキブリやカマキリの祖先と考えられている一方、バッタとゴキブリの祖先との見方も強いです。
胃の内容物から他の生物の一部が見つかっていることから、植物を食べる昆虫など捕食していたとされています。
翅がむき出しの状態なため、空中を飛ぶように滑空していたことが考えられます。
アプソロブラッティナ
アプソロブラッティナは体長5cmほどゴキブリの仲間です。
石炭紀からペルム紀までに同種の生存が確認されています。
アプソロブラッティナについては情報がとても少なく、現在7種類ほどの種が発見されています。
以前は50cmを超えるとも言われていましたが、実際はmmの表記をcmと誤表記されたことによる勘違いです。
しかし、まだ参考となる化石や資料が少ないためもっと大きな個体もいた可能性も否定できません。
もしかしたら人間の子供くらいの大きさの彼らもいたかもしれませんね。
ゴキブリの起源はもっと後?
シーラカンスやカブトガニのように、生きた化石と言われるゴキブリ。
既にこの頃からほぼゴキブリとしての姿で地球を闊歩していたわけですが、筑波大学の研究によるとゴキブリ起源はもっと後だという報告があります。
研究では現生の66種の昆虫の約2400の遺伝子を解析。
その結果、ゴキブリ目とカマキリ目の分岐はおよそ2億6000年前に起こり、今のゴキブリの直接の祖先はその後の約2億年前(中生代三畳紀)になることが分かりました。
ゴキブリがシロアリ類へと進化する過程で、窒素老廃物を利用可能な窒素に変えるブラッタバクテリウムを失った時期なども明らかになり、ゴキブリが詳しく分岐した種が明らかになっています。
またゴキブリが爆発的に多様化し、現在の種類ほど出揃ったのは約1億6000年前(中世代白亜紀)ということも判明しました。
これによってゴキブリの生態の理解が深まり、彼らへの対策が広がるかもしれませんね!
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