地球史最初の大量絶滅
今から4億4300万年前のオルドビス紀(シルル紀のひとつ前の時代)の海には、ピカイアから進化した魚類の祖先が既に存在していました。
コノドントやアランダスピスに代表されるオルドビス紀の魚類たちは、まだ顎がやヒレがなく海底を這ったり漂ったりしながら餌を探していました。
オルドビス紀の終わり、南極地点の氷床が発達したことで地球が氷河期を迎えます。
地球史で起こった大量絶滅のうち、一番最初の大量絶滅です。
(大量絶滅=280万年の間に地球に存在する全種の4分の3以上が死に絶える現象)
氷床が発達したことで地面が鏡のようになってしまい、太陽の光を宇宙に反射してしまったことが要因と考えられています。(火山説や二酸化炭素吸収説など諸説あり。)
この氷河期の到来によって種の85%が死滅したとされていますが、大量絶滅を生き残った一部の魚類は、次に訪れるシルル紀にて多彩な進化を遂げていくことになります。
アテレアスピス
その代表のひとつがアテレスピス。
アテレアスピスはシルル紀に前期に繁栄したアゴのない魚類です。
かつて海底を這っていた魚類の習性から、より餌を獲得できるように口とエラを身体の下に位置するよう進化しました。
また背ビレが発達したことや目が上についたことで、外敵から身を守るために動くという術も身につけました。
ヘミキクラスピス
ヘミキクラスピスはシルル紀に後期に繁栄した魚類です。
アテレアスピス同様アゴはなく、海底の微生物などの吸い込んで食べていました。
他の無顎類(アゴのない魚の種類)と比べると非常にユニークに進化した生物で、頭は硬質化し、その一部は濁った水の中でも他の生物を感知できる感覚器官があったと考えられています。
また胸ビレや尾ビレによって海中を泳ぐ機動力を確保し、外敵から身を守ることに特化していました。
デボン紀の魚類
多彩に進化した魚類たちは、シルル紀の次の時代であるデボン紀で生態系を大きく変えます。
アゴを持った魚類が現れたことで、他の生物を襲う獰猛な捕食者へと変貌を遂げるのです。
また、サメ類が登場したことで海の生態系は現代に近づき、更に多彩になっていきます。
そのデボン紀の生物については、シルル紀の生物の後に改めて紹介していきます。
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