ロンドンの貧しい鍛冶屋の息子として生まれたファラデーは、幼い頃から新聞配達や製本の手伝いをして働き始めます。
その仕事ぶりは見事なもので、雇い主から一目置かれるほどでした。
ファラデーは特例として製本した本を読むことが許され、これをきっかけに科学への興味を持ち始めます。
当時の科学研究の先端で活躍していたハンフリー・デービーの講演会を聞き、彼の科学熱に火が付きます。
ファラデーはデービーに何度も手紙を書き、22歳のとき遂にデービーが所属するイギリス王立研究所で雑用係として採用されることになります。
これが彼が科学の世界にのめりこむきっかけです。
電気と磁気
電気を流したら方位磁石の針が動いたぞ…。
ある日ファラデーは、ハンス・クリスティアン・エルステッドが発表した、“電流の磁気作用”についての論文を読みました。
これは、銅線に電流が流れると磁気が発生し、近くに置いてあった方位磁石の針が動くという内容のものでした。
論文を通して電気と磁石についての関係を知ったファラデーは、ますます科学の魅力に憑りつかれていきます。
電磁回転装置
まずは電気を運動エネルギーに変えてみよう。
エルステッドの研究によって、磁気は円形に働くことが分かっていました。(当時は円ではなく直線的な力だと考えられていた。)
ファラデーはこの円形理論をいち早く取り入れ、“電磁回転装置”を作り上げます。
これは、電流によって生じた地場(磁気が作用する範囲)と磁石によって生じた磁場が反発することによって電線や磁石がクルクル回るというもの。
世界で初めて電気エネルギーを機械的な運動エネルギーに変えた“電動機”を作り上げたのです。
ファラデーの電磁誘導
電気が磁気を発生させるなら、その逆もできるのでは…?
先の研究によって、電気が磁気を生むのであれば磁気から電気を生むことも可能であると考えたファラデー。
1831年、銅線と磁石と電気の関係からある法則を発見します。
電磁誘導(ファラデー)の法則です。
やたら銅線を巻き付けて作ったコイルに磁石を出し入れすると、謎の電気が発生するというアレです。
この装置の再現に成功したファラデーは、磁力から電力を生み出すことを証明し、世紀の大発見となったのです。
発電機の誕生
継続的に電気を生み出せないものか。
電気が一瞬しか生まれない装置を見てまだ工夫の余地がある感じたファラデーは、更に研究に没頭します。
彼の目標は、継続的に磁力から電気を生み出すことでした。
磁石を動かすのではなくコイルを動かしたらどうか…?
そう考えた彼は、U字磁石のS・N極の間で金属の円盤を回しても電気が発生することを発見します。
その発見を元に、円盤を回して継続的に電気を発生す装置を発明に成功。(後にファラデーディスクと呼ばれるようになります。)
これが現在の発電機の原型になったのです。
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