チェコの修道士グレゴール・メンデルがエンドウ豆の実験を始めたのは19世紀のこと。
この頃の学説では、
「両親の特徴がどちらも同じように混ぜ合わさり、それぞれの特徴をもった子どもが生まれてくる」
という説と、
「子どもを身ごもる環境が、その子の特徴を形成する」
という説が主流でした。
メンデルが証明したのは、これらの説が間違っているという、現代科学に通じる考えだったのです。
エンドウ豆の特徴に気付いたメンデル
メンデルは、修道院の庭を何度も散策しているうちに、エンドウ豆の特徴に気付きました。
花の色:紫or白
さや:黄色or緑色
長さ:高いor低い
豆形:丸orしわ
・・・
それぞれに中間はなく、はっきりどちらかに分かれていることに気づいたのです。
交配実験
彼は実験をすることにしました。
さやが緑のエンドウ豆と黄色のエンドウ豆を交配させると、子は全てさやが緑色でした。
しかし、この子どものエンドウ豆(第一世代)を交配させると、次の世代は四分の一のさやが黄色になりました。
背の高さも、豆のしわも同様の結果が得られました。
これらの結果から、遺伝子には種類があり、後に劣性遺伝子や優性遺伝子と呼ばれる遺伝子の仕組みを導きだしたのです。
小中学校で習った、エンドウ豆の実験でも分かるように、子供には現れない形質もあることが分かり、隔世遺伝についても説明がつくようになりました。
豆知識
メンデルはおよそ2万8000本ものエンドウ豆を栽培し実験しました。
しかし生前の彼の業績はほとんど無視され、メンデルも有名になることなく死んでいきました。
理由は、あまりにも見事な記録から、その数値にするために不都合なデータを意図的に削除していたのではないかと思われていたからです。
1900年に植物学者たちによって再発見され、これによって遺伝学の研究は改められることになりました。
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