今回紹介するのは、パシフィック・リムやパンズ・ラビリンスの監督・脚本・総指揮を務めたギレルモ・デル・トロ監督が放った作品「ナイトメア・アリー」。
ウィリアム・リンゼイ・グレシャム氏が著した「ナイトメア・アリー 悪夢小路」を原作とし、ギレルモ監督がかねてから映像化したいと熱望した作品です。
大恐慌時代のアメリカを舞台に、ビジネスショーで一攫千金を夢見る男を描いた物語であり、ストーリーもさながら、当時の雰囲気を存分に味わえる作品でもあります。
これもネタバレなく、映画を新鮮に楽しんでもらいたい作品です。
それではあらすじから……。
あらすじ
1939年、恐慌が世界を巻き込み、誰もがその日を生きることに精一杯だった時代。
主人公のスタン・カーライルはある家に別れを告げ、放浪の旅に出た。
彼は旅先でとあるショービジネスの一座に出会う。
ショーの目玉である見世物小屋では、「獣人(ギーク)」と呼ばれる男が生きた鶏を貪り食う見世物が人気を博していた。
スタンは運よくショーの片付けの仕事にありつくが、その日の夜に獣人の逃亡事件が発生してしまう。
彼は獣人を捕獲したことで一座のオーナーから、見世物小屋の一員として雇われることになる。
そこで透視マジックをするジーナと夫ピートの助手を務めていくが、スタンはピートが読心術の達人であることに関心を持ちその技術に魅了されていく。
一座、ひいてはピートとの出会いは、彼の人生の歯車を少しずつ狂わせていく。
闇への一歩
作中、主人公のスタンのカリスマ性によって多くの人が魅了されていきますが、恐慌という時代背景が彼を次第に狂わせていきます。
金と野心に燃える男の人生の歯車が次第に狂う様子や、それを取り巻く人々の行動も見どころです。
あとは冒頭でも話しましたが、時代の雰囲気が凄い好きです。
繁栄の絶頂にいたアメリカが恐慌によって墜落した時代で、映画の舞台となっていえる1939年は世界大戦のきっかけとなる英独戦争が始まった年でもあります。
多くの人々が時代の波に揉まれ、一部の資本家が富を蓄えている……。
そんな格差表現と鬱屈した空気が映画をより盛り上げてくれます。
当時のアメリカの様子も感じながら観るとさらに楽しめるのではないかと思います。
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