心理学

【ことばの心理術④】相手に話を聞いてもらうテクニック

心理学

【前回記事】

  

「ひと言」で相手の心をつかむ ことばの心理術 フレーズ辞典

    

この記事では、著書「ひと言」で相手の心をつかむ ことばの心理術 フレーズ辞典から、日常で使える言葉の心理をまとめていきます。

   

主に心理学で使われる用語やその使い方に焦点を当てて、ためになったと思ったものを優先的にピックアップしていきます。

   

今回のテクニックは、自分の提案を聞いてもらうための話し方についてです。

    

 

3の法則(マジックナンバー3)

  

アリストテレスの三段論法、非核三原則、三種の神器……など、3に関係する言葉は世の中に沢山あります。

 

松竹梅、上中下、大中小、SMLに表されるように“3”という言葉は多くもなく少なくもなく、安定感がある数とされ、いたる所で使われています。

 

幼児の発達過程では、1・2・3という数は認識できても、4以上の数字はたくさんの数として捉える段階があります。

 

大人になってもその感覚が残っているため、3までの数字は、頭の中に入りやすい数として認識されると考えられています。

 

何か提案をする場合に、「この○○には3つの問題点があります。」と前置きすれば、要点がまとめられた提案に違いないと、聞いている相手の関心を引きやすくなります。

 

逆に「この企画には問題点が7つあります。」なんて言われたら面倒に感じますよね。

 

問題点を整理することができないのかな、と評価を下げることもあるかもしれません。

 

問題点が複数ある場合は、性質別に分類して3つに絞り込んでいく、もしくは優先順位の高い順に3つを選んで整理することが重要になります。

 

「この商品の特徴は大きく3つあります」、「この企画の優先事項はこの3つです」などさまざまに応用ができます。

 

3という数字は相手の興味を引く、ちょうどいい数字でもあるのです。

 

そう考えると、宗教改革で有名なルターの“95カ条の論題”は多すぎですね……。

 

そんなに提示されたら聞く耳閉じちゃいます。

 

 

クライマックス法とアンチクライマックス法

 

プレゼンテーションや講演、友人の会話やセールストークなど、誰かに何かを伝える場合には“報道型”と“ミステリー型”があります。

 

新聞などが事件を伝える場合には、

いつ(when)

どこで(where)

誰が(who)

何を(what)

なぜ(why)

どのように(how)

といった5W1Hを使って基本的な事柄をまとめます。

 

その次に専門家による分析など、細部を書いていく手法、これが報道方です。

  

対してミステリー方は、出来後の衝撃的な断片を最初に伝えて次第に全容を明らかにしていく伝え方です。

 

物事を伝える方法として、結論を先に示す報道型をアンチクライマックス法

 

最後に結論を解き明かすミステリー型をクライマックス法と呼びます。

 

 

【アンチクライマックス法】

情報を伝える場合には、一般的にアンチクライマックス法が効果的です。

 

基本情報を初めに伝えるため、これからどんな話が展開されるのか心構えができるからです。

 

電話や訪問販売でのセールストークなら、このアンチクライマックス法が適切とされています。

 

話の核心部分を話す前に電話を切られたり、ドアを閉じられてしまう恐れがあるからです。

 

 

【クライマックス法】

自分の話に興味を持ってもらいたい場合は、クライマックス方が効果的です。

 

「この前行きつけの居酒屋で凄いことがあったんだよ。」と話題の盛り上がり部分の一部を伝えて興味を引き付けます。

 

プレゼンテーションや講演などでもクライマックス法が使われる場合が多いです。

 

上手に行えば内容を強く印象付けられる方法ですが、肝心の部分を最後に明かすので、それまでの話の作りに自信がない場合は途中で飽きられてしまう危険性もあります。

 

プレゼンで要領よく内容を伝えたいという場合は、最初に必要部分を端的に述べる、アンチクライマックス法がオススメです。

 

 

クライマックス効果

 

選挙カーから何度も聞こえる立候補者の名前。

 

しつこいと言うレベル以上に耳にしますよね。

 

人は何かを伝えたいという時、同じことを繰り返して話すことが効果的とされています。

 

心理学者ウィルソンは、障害者へのボランティアの必要性を訴えたビデオを2本作成し、それを見た学生の反応を研究しました。

 

1本目には、10の必要性を訴えた内容のビデオを。

 

2本目には、4の必要性を訴えた内容のビデオを。

 

それぞれ見てもらった後に、どちらのビデオに説得力を感じたかを答えてもらいました。

 

どちらも同じ内容の主張を見方や切り口を変えて伝えたものです。

 

その結果は、83%が10の主張を入れた1本目のビデオに説得力を感じたと答えました。

 

この実験は繰り返しの重要性を意味するとともに、見方や切り口を変えるというところにも注目するべき点があります。

 

人の集中力の持続時間には限りがあります。

 

話が長いと、はじめは集中して聞いてくれていた相手が他の考え事をしたり、内容が全然伝わっていなかったりというのはよくある話です。

 

何か伝えたいことがあるとき、最後が相手が聞いているのか聞いていないのか分からないような雰囲気で終わった場合、話全体の印象も弱まってしまいます。

 

そんなとき、「結論は……」「私が言いたかったのは……」と最後の最後にこの文言を入れることで、最後の一瞬だけは集中してくれることが多いです。

 

この時に簡潔に伝えることで、途中の集中力が切れていたとしても、話全体がまとまったという印象を与えることができます。

 

これがクライマックス効果です。

 

同じ主張でも、切り口を変えて最後に繰り返すことで相手の納得を得ることができるというテクニックになります。

 

 

まとめ

・“3の法則でまとまっている印象を与える

・話にインパクトがある場合にはクライマックス法

・内容を端的に伝えたい場合にはアンチクライマックス法

・最後に同じ主張をしてクライマックス効果で納得を得る

 

以上、相手に話を聞いてもらうテクニックでした!

 

企画や提案の際には使えそうな話し方ですね。

 

友人との他愛ない会話の中でこれをされたらなんかめんどくさい奴に思われそうですが、旅行の企画やイベントの提案などで自分の意見を取り入れて欲しい場合には大いに活用できるでしょう。

 

これと併用きて話し3割聞き7割を意識していれば、わかりやすい人と感じてもらうこともできるかもしれませんね!

 

【次回記事】

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