前回記事
この記事では、ジャン・ジャック・ルソーが著した“エミール”から、子育てや生活に役立つかもしれない言葉を抜粋して紹介していきます。
“子どもは子どもの教育が必要である”と考えたルソーの考えを、1記事に3つずつまとめていきます。
またそれらの言葉がこの本の要約にもなるので、よろしければ参考までにどうぞ!
「趣味は生活してきた環境によって決まる。」
趣味は全ての人に自然に備わっているものだが、人は全て同じ範囲のものを持っているのではない。
それは全ての人に同じ程度に発達するのではない、また、全ての人にとって、それは様々な原因で変化しやすいものだ。
人がもつことのできる趣味の広さは受けている感受性によって決まり、その育成と形態は生活してきた環境によって決まる。
第一に、多数の人と付き合って多くのことをくらべてみなければならない。
第二に、暇と遊びから生まれる付き合いが必要だ。
仕事のうえの付き合いは、楽しみではなく、利害によって規制されるからだ。
第三に、不平等があまり大きくなく、臆見の圧制が緩和されていて、虚栄心よりも快楽が支配的な付き合いが必要だ。
「良い趣味とは多数者の趣味であるということは真実ではなくなる。」
もし虚栄心が支配する場合には、流行が趣味を失わせてしまい、人を喜ばせるものではなく、際立たせるものが求められることになる。
なぜそうなるのか。
目標が変わってくるからだ。
自身で判断しなくなるのだ。
自分たちよりもそのことに明るいと思われる人々の考えに従ってのみ判断するようになる。
良いことではなく、その人たちが良いと認めたことを認めるようになる。
いつでも、あらゆる人に自分自身の考えを持たせるようにするがいい。
そうすれば、それ自体いちばん感じの良いことが必ず多くの人の賛同を勝ち得るだろう。
「趣味の正しい手本は全て自然のうちにある。」
人間は、いくら骨を折っても、模倣によらなければ美しいものを何ひとつつくり出せない。
趣味の正しい手本は全て自然のうちにある。
この巨匠から離れると、それだけ私たちの絵は歪んだものになる。
そうなると、私たちは自分の好きなものから手本を引き出すことになる。
思いつきと権限によって決まる気まぐれの美は、私たちを指導する人たちの気に入るもの以外のなにものでもなくなってしまう。
まとめ
今回は趣味についての言葉でしたね。
「良い趣味とは多数者の趣味であるということは真実ではなくなる。」
少しややこしいですが、“流行っているものが良い趣味というわけではない”ということですね。
流行りに乗っている人たちが「良い」と言ったことが認められ、自分で判断することができなくなってしまうと言っていますね。
趣味であっても自分の考えを持っていれば、多くの人から応援されるだろうとまとめています。
次回記事
おすすめ本
コメント