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ハロウィンのお菓子も注意:過剰摂取が腸内フローラに与える悪影響

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10月と言えばハロウィン!

 

カボチャをくり抜いたジャック・オー・ランタンや、お化けに扮したコスチューム、そして忘れてはならないのがやはりお菓子です。

 

ハロウィンでお菓子を用意する理由は、こちらの世界にやってきた魔女や悪霊たちに、元の世界へ帰ってもらうようにお願いする際に渡したものが、起源だとされています。

 

子どもにとってはお菓子をもらえる楽しいイベントですが、体の中では悪霊同様に招かざる変化が起きています。

 

今回のテーマはそんな、お菓子に隠された甘くない真実についてです。

 

参考記事)

Halloween candy binges can overload your gut microbiome – a gut doctor explains how to minimize spooking your helpful bacteria(2024/10/23)

 

参考研究)

Small molecules in the big picture of gut microbiome-host cross-talk(2022/07)

Microbiota imbalance induced by dietary sugar disrupts immune-mediated protection from metabolic syndrome(2022/09/15)

Microbiota–gut–brain axis and its therapeutic applications in neurodegenerative diseases(2024/02/16)

 

 

キャンディが腸内環境に与える悪影響

 

ハロウィンの時期に特に気をつけるべきことは、砂糖の摂りすぎが腸内の健康に与える影響です。

 

腸内には、数兆もの微生物が生息しており、これを「腸内細菌叢」または「腸内フローラ」と呼ばれています。

 

これらの微生物たちは、消化を助け、体全体の健康を維持するために非常に重要な役割を果たしています。

 

しかし、ハロウィンの時期に食べる大量のキャンディやお菓子は、腸内フローラのバランスを乱し、健康に悪影響を与える可能性があります。

 

通常、健康な腸内フローラは、食物繊維やポリフェノールといった植物化合物を分解し、体の免疫システムをサポートする代謝物を生成します。

 

また、これらの代謝物は、感染症から体を守ったり、脳の健康を支えたりする役割も持っています。

 

腸内のバリア機能がしっかりと働いていれば、有害な細菌や毒素が体内に侵入するのを防ぎ、体全体の代謝を正常に保つことができます。

 

しかし、キャンディには高濃度の砂糖飽和脂肪添加物が含まれており、これらが腸内の悪玉菌を増殖させる原因となります。

 

悪玉菌が増えると、腸内のバリア機能が弱まり、結果的に炎症が引き起こされ、肥満や感染症、自己免疫疾患、さらにはアルツハイマー病のリスクが高まることがあります。

 

 

砂糖と炎症の関係

 

砂糖は体にエネルギーを提供する一方で、摂り過ぎると炎症の原因になります。

 

これは、腸内フローラがバランスを崩し、悪玉菌が増殖することによって引き起こされます。

 

炎症が続くと、腸内フローラは栄養素の消化や代謝を効果的に行えなくなり、結果的に健康な代謝物の生成が妨げられます。

 

例えば、繊維から作られるブチレートや、ポリフェノールから作られるユロリチンAといった重要な物質が不足し、エネルギーの代謝が低下し、脂肪が蓄積されやすくなることがあります。

 

さらに、過剰な砂糖の摂取は免疫系にも悪影響を及ぼします。

 

健康な腸内フローラは、免疫系が外部の敵と無害な物質を区別するのを助け、感染症や自己免疫疾患のリスクを減らしますが、砂糖の取り過ぎはこのバランスを崩し、体の免疫反応が過剰または不十分になる可能性があります。

  

 

おすすめの健康的なハロウィンの楽しみ方(※)

(※この項は元の記事を参考にしていますが、個人的には蜂蜜に含まれる糖分やチョコレートの油脂の摂取などは賛同できない部分があります。)

 

全てのキャンディが同じように悪いわけではありません。

  

中には比較的健康に良い選択肢もあります。

  

例えば、蜂蜜でコーティングされたアーモンドやキャンディアップルは、砂糖がかかっているものの、中身のナッツや果物には繊維や栄養素が含まれています。

  

これらの食品は、腸内フローラをサポートし、健康的な代謝を助ける効果があります。

  

一方で、キャラメルコーン、スキットルズ、スターバーストのようなチューイングキャンディは、果糖ぶどう糖液糖や飽和脂肪、添加物が主成分で、腸内の悪玉菌を増やし、炎症を引き起こしやすくします。

 

   

これらのキャンディは、ハロウィンの時期に避けるべき選択肢の一つと言えるでしょう。

 

チョコレートベースのキャンディは、より腸内に優しい選択肢です。

 

特に、カカオ含有量が80〜85%以上のダークチョコレートは、繊維やポリフェノールが豊富で、腸内の善玉菌をサポートし、気分や認知機能を向上させる効果が期待できます。

 

アーモンドやピーナッツが入ったチョコレートも、繊維やプロテイン、オメガ3脂肪酸を摂取できるため、健康的な選択肢です。

 

 

腸内バランスの回復方法

余計な糖分を摂取してしまった後、腸内環境を整えたいときは「4つのF」を意識した食事を心がけると良いと記事では述べられています。

 

繊維(Fiber): 全粒穀物、ナッツ、種、豆類、果物や野菜は、消化を助け、善玉菌を増やす

植物化合物(Phytochemicals): ダークチョコレート、ベリー類、緑茶、エクストラバージンオリーブオイルなど、ポリフェノールが豊富な食品は炎症を抑え、腸内の健康的な細菌の成長を促進する

不飽和脂肪(Unsaturated Fats): オメガ3脂肪酸を含むクルミやチアシード、アボカド、サーモンなどは、健康的な腸内環境をサポートする

発酵食品(Fermented Foods): キムチ、ヨーグルト、ケフィア、味噌などの発酵食品は、腸内の善玉菌を補充し、バランスを整える

 

これらの食品を意識して摂取することで、砂糖の過剰摂取で崩れた腸内フローラを修復し、健康なバランスを取り戻すことが可能です。

 

 

 

結論

ハロウィンは楽しいお菓子やキャンディで溢れる季節です。

 

甘いものは一切断つに越したことはありませんが、現実的に難しいことも事実です。

 

判断がつかない子どもにとっては、そのコントロールをするのは保護者たる親です。

 

もしハロウィンのようなイベントに参加した後には、腸内環境を整えるためのバランスの取れた食事を心がける必要があるでしょう。

  

 

まとめ

・キャンディなど砂糖や添加物が腸内の悪玉菌を増やし、炎症や免疫機能低下を引き起こす

・ダークチョコレートやナッツなど、腸に良い繊維や栄養が含まれているものが推奨される

・腸内環境の改善には「繊維(Fiber)、植物化合物(Phytochemicals)、不飽和脂肪(Unsaturated Fats)、発酵食品(Fermented Foods)」といった4つのFを意識すると良い
 

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