朝のコーヒーで体を目覚めさせる。
そんな習慣がある人も多いかと思います。
コーヒーを飲む習慣というのは、カフェインに依存してしまう可能性を高めるということも囁かれていますが、そもそもそんなことを気にせずに飲んでいる場合もあるでしょう。
コーヒーに頼りきるのはよくないという意見もありますが、過剰摂取にならない範囲であれば健康上のメリットも大きいという研究結果もあります。
今回は、そんなコーヒーの習慣がもたらす「がん」との関係についての研究がテーマです。
以下にまとめていきます。
参考記事)
・Drinking Coffee Dramatically Lowers The Risk of Bowel Cancer Coming Back(2024/03/27)
参考研究)
・Coffee consumption is associated with a reduced risk of colorectal cancer recurrence and all-cause mortality(2024/02/12)
コーヒーと大腸がんの相関性
オランダのワーゲニンゲン大学による研究から、コーヒーを飲む習慣がある人は、そうでない人と比べて腸内での悪性腫瘍(がん)によるリスクがはるかに低いことが明らかになりました。
観察研究では大腸がんを患ったことがある1,719人を対象に分析がなされ、1日に少なくとも2杯のコーヒーを飲む患者は、将来的にがんが再発する可能性が低いとされています。
観察の結果では、6.2年(中央値)の間に257件の再発が観察され、6.6年(これも中央値)の間で309人の死亡が確認されました。
1日に2杯未満のコーヒー摂取量と1日に4杯以上摂取量の比較では、1日に4杯以上飲む人の方がその後6年前後に大腸がんが再発するリスクが32%低かったことが示されました。
また、コーヒーの消費量と全原因死亡率の関連性も分析され、毎日3~5杯が最も死亡リスクが低く、6杯を超えると徐々に死亡率が上がっていきました。
この結果は、コーヒーを飲めば飲むほど良いというものではなく、多すぎる量を摂取する習慣があると、健康に対する何らかの害があることを示唆しています。
コーヒーを飲むことが癌やその他の病気の進行にどのように関わっているかは明らかになっておらず、病気の改善のメカニズムを理解するにはより多くの研究だと述べています。
これまでの研究では、コーヒーの消費が大腸がんのリスクを低下させる可能性があることを示唆されていましたが、大腸がんの予後との関連は不明でした。
ある研究では、コーヒーの強力な抗酸化作用が心血管疾患のリスク低下に関係していたり、またある研究では、コーヒーがいくつかの種類の皮膚癌、肝臓癌、子宮癌、前立腺癌、さらには口腔癌から保護できることを示唆されていたりします。
コーヒーに含まれるポリフェノールなどの抗酸化物質によって、酸化ストレスを軽減する代謝経路が活性化されたり、腸の微生物叢を変えて腸内の癌の増殖を防いでいる可能性があると推測されています。
これら今回の大規模研究によってコーヒーの量と大腸がんとの逆相関がみられたことは、将来大腸がん患者の食事のガイドラインや、それに関連する研究の大きな足掛かりとなると期待されています。
この研究はInternational Journal of Cancerにて詳細を確認できます。
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