日常の中に運動を取り入れることは、健康にとってとても重要なことです。
過去の研究(過去記事参考)でも、一日に平均4.5分以上運動した場合、がんのリスクが20〜21%減少することが分かりました。
家の周りを少し散歩するだけでも、健康に有益な運動習慣と言えます。
今回の記事では、そんな生活の中での運動に関する研究を紹介します。
参考記事)
・Want to Cut Heart Disease Risk? Here’s How Many Flights of Stairs to Climb Daily(2023/10/08)
参考研究)
五段以上の階段を上る
中国北京大学の研究によると、毎日五段以上の階段を上る人はアテローム動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)のリスクが20%以上低下したことが報告されました。
研究では、UKバイオバンクの成人458,860人を対象とした調査に基づいており、家族歴、遺伝的リスク、高血圧などの要因も含めて分析されています。
階段を上り下りする人を対象とした調査では、心臓病のリスクがまだ高くない人もリスクを減少させたことが明らかになりました。
さらに注目すべきは、研究期間中(中央値平均12.5年)に定期的な階段昇降を中止した人の場合は、階段昇降を報告しなかった人に比べて心血管系疾患のリスクが32%高かったという点です。
日常的な運動などの身体活動は、ASCVDリスクを低減する方法として長い間推進されてきましたが、階段昇降と心臓の健康との関連を詳細に調べたものはこれまでほとんどありませんでした。
今回の研究はそういった身体活動と病気のリスクの相関関係を示す興味深い研究です。
階段の上り下りが心血管疾患リスクの低下に直接関与しているかなど因果関係を証明するには不十分ですが、その行動が心臓の健康につながることを示唆する関連性は十分に強いとしています。
過去の研究においても、階段を日常的に使っている人は、癌のリスク低減や心肺機能の向上につながると報告されています。
研究の第一人者であるQi氏は、「本研究は、特に複数のASCVD危険因子を有する患者に対して、階段昇降がASCVDリスクを予防するという新たな証拠を提供する」と述べています。
この研究は、atherosclerosisにて詳細を確認できます。
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