運動といえば靴が欠かせませんね。
外ではランニング用のシューズだったり、屋内用の運動シューズなど用途によって様々です。
中にはデザイン性と機能性を兼ね備えたシューズもあったりして、その時々のトレンドによって人気なものがあります。
最近のトレンドは、履き口がくるぶしまであるハイトップなシューズだそうです。
運動サポートするシューズですが、ハイトップなシューズの場合、使い方を間違えると怪我のもとになる可能性があると言われています。
今回はそんな運動用のシューズについてのお話です。
参考記事)
・High-Top Shoes Can Actually Increase Injury Risk, Experts Warn(2023.5.15)
参考研究)
ハイトップシューズと運動
足首の捻挫は最も一般的な筋骨格系損傷の一つです。
特にバスケットボールやフットボールなど、ジャンプ、片足での着地、急な方向転換がゲームの一部であるスポーツで発生しやすいです。
過去に足首の捻挫の経験がある人は、その後も足首を捻挫する可能性が高くなります。
そういった怪我を予防するため、靴の側面部分が足首近くまで伸びているハイトップの靴を選ぶ人も多くいます。
しかし、実際にこのハイトップのシューズは、捻挫のリスクを軽減するのでしょうか。
過去の研究を見ていくと、ハイトップのシューズが必ずしも怪我の防止に役立つわけではないだけでなく、時には害を及ぼすことが分かってきました。
ハイトップのシューズの定義として研究によってまばらで、おおよそ履き口から4.3~8.5cmとかなり差があります。
つまり、現在の文献からは、ハイトップのシューズによる足首の保護は、スポーツをする際の捻挫リスクを大幅に低減するには十分でない可能性があると考えられます。
場合によっては、このデザインは運動能力を低下させ、人によっては足首の捻挫のリスクを高める可能性もあるのです。
先に、ハイトップのシューズの利点として、外力によって足首の捻挫を引き起こす可能性がある場合の保護機能があります。
例えば、立っている人が横から叩かれ転倒し、足首に負担が掛かる場合、ハイトップのシューズは安定性に優れているという研究結果が支持されています。
しかし、運動中となると話は別です。
ハイトップのシューズを履いた状態で運動をすると、下腿の外側の筋肉が動き始めるのが遅くなり、ロートップのシューズと比べて筋肉で足首を固めるための動作が強く働かないことがあります。
足首の捻挫のリスクを減らすには、脚の両側の筋肉が同時に動くことが重要です。
しかし、慢性的に足首が不安定な人では、下腿の外側の筋肉の活性化が遅れ、弱くなっていることが分かりました。
この結果は、特に足首の捻挫の既往歴がある人は、ハイトップの靴が最適でない可能性を示唆しています。
また、ハイトップの靴を履くとジャンプの高さが低くなり、体の他の部分への衝撃が増加するため、運動能力を阻害する可能性があるとの指摘もあります。
足首を保護するためには、足首の保護や予防的な運動が推奨されます。
テープやサポーターなどで足を保護することは、怪我をしていない足首にも過去に怪我をした足首にも効果的です。
準備運動などで足首を柔らかくすることも、捻挫のリスクを減らすためには良いことです。
また、シューズを選ぶ際に重要なのは、「フィット感」と「機能性」です。
靴は、長さ、幅、深さが足にフィットし、一番長い足の指先から靴の先端までが親指の幅になるようにする必要があります。
しかし、約7割の人が適切にフィットしていない靴を履いていると言われています。
女性は狭すぎる靴を履き、年配の男性は長すぎる靴を履く傾向にあるようです。
足に合わない靴を履いていると、大人も子供も転倒しやすくなり、変形性関節症を誘発され、足の自然な機能が損なわれる可能性があります。
そうならないためにも、自分の足にフィットした靴を選ぶべきです。
これらのことから、静的な動作や立ち仕事が多い場合はハイトップのシューズがオススメです。
頻繁に立ち止まったり、ジャンプしたり、急に方向を変えるスポーツ活動をした人、または過去に足を捻挫したことがある人は、ロートップのスニーカーなどが適していると言えます。
まとめ
・ハイトップのシューズは必ずしも怪我の防止に役立つとは言えない
・ハイトップのシューズを履いて運動をすると、捻挫など怪我のリスクが高まることが示唆されている
・立ち仕事や静止した状態にはハイトップのシューズ
・方向転換や、急停止などを伴う運動にはロートップのシューズが適切
・過去に捻挫をした経験がある人も、なるべくロートップのシューズが良い
以上、運動とシューズについての関係でした!
ハイトップのスニーカーやシューズは、は見た目のインパクトが強かったり、使いこなせているとかっこよく見えます。
今回の研究のまとめでは、用途によって使い分けるのが良いということですね。
そういった適切な場所で適切なものを選ぶというのも、スマートさを見せつけるひとつの手段だと思います。
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