科学

【研究】「あの音が大嫌い~ミソフォミア~【要約】

科学

  

  

黒板を爪で引っ掻く音、発砲スチロールが擦れ合う音などなど、身の毛がよだつという言葉がぴったりなほど音を嫌悪した経験はありませんか。

  

一部の人々にとっては、そういった反応が日常のちょっとしたことから引き起こされることがあります。

  

今回はそんな音の過敏症であるミソフォニアについてのお話です。

  

どうやら考えられていたより多くの人がこのミソフォニアに苦しんでいるようです。

  

2023年3月25日にScienceAlertに掲載された記事からまとめていきます。

 

参考記事)

Misophonia Turns Out to Be Way More Common Than We Thought(2023.3.25)

  
参考研究)

Misophonia in the UK: Prevalence and norms from the S-Five in a UK representative sample(2023.3.22)

  

  

ミソフォニア

  

ミソフォニアは、特定の音に否定的な感情を引き起こす一種の症候群です。

  

音嫌悪症とも呼ばれ、他人の咀嚼音やいびき、時には呼吸からも刺激を受け、日常生活を妨げるほどの苦痛になります。

  

キングスカレッジロンドンの心理測定学者、Silia Vitoratou氏は、オックスフォード大学の臨床心理学者Jane Gregory氏らと共に、英国の18歳以上の代表的なサンプルを取得。

  

772人のボランティアから、嫌悪感のある音と感情的な反応に対するアンケートに回答し、ミソフォニアの5つの側面は調査しました。

  

また、研究者は、ミソフォニアを持っていると自覚している26人とそうでない29人にインタビューしました。

  

チームは、米国におけるミソフォニアの有病率は18.4%ということを発見しました。

  

しかしこの調査結果は、英国を代表するものに過ぎず、世界の他の地域では異なる可能性があると説明しました。

  

回答者の報告によると、ミソフォニアを引き起こす可能性のある音の内、回答が多かったのは、他人から発せられる大きな咀嚼音であるとされました。

  

ミソフォニア患者と一般集団との間には、不愉快な音に対する感情の違いが見受けられました。

  

ミソフォニア患者は、トリガーとなる音を聞くと、光とパニックになることが多く、他の反応として、騒音から逃れることができないという無力感や閉塞感があると報告されました。

  

自分が音に対して反応があると感じながらも、それに対して何もできない不安感は、罪悪感、羞恥心、不安、ひきこもりにつながる可能性があるとGregory氏は述べています。

  

また、ミソフォニア患者は、一般集団では何の反応も示さないような、通常の呼吸やものを飲み込むような音に悩まされる傾向もありました。

 

今回の研究では、5人に1人がミソフォニアに悩まされたことがあるという結果が出ましたが、それをミソフォニアであるとと認識していたものは、多くはありませんでした。

  

最後にGregory氏はこう述べています。

  

「自分だけでなく、他の人も同じように音に反応することを知るだけで、とても安心することができます」

  

また、こういう言葉があり症状があるということを認識するだけでも顔を解消するきっかけになります。

  

研究者は、「ミソフォニアが比較的一般的な病気であることを示しており、この状態がどの時点で苦痛を感じ、治療の必要性があるのかを判断するには、さらなる研究が必要だ」と述べています。

  

 

まとめ

・ミソフォニア=嫌な音に対して、怒りや無力感、閉塞感を感じる過敏症

・英国では5人に1人がミソフォニアである可能性がある

・病気の名前を知って、同じ悩みを共有する人がいるだけでも苦痛を和らげるきっかけになる

  

音に敏感な人ってたまにいますよね、もしかしたら、それは我慢しているだけで、本人はかなり辛いことなのかもしれません。

  

自分も、なぜか発泡スチロールがこすれる音に関しては、黒板を引っ掻くような音とは別の無力感や脱力感などを感じます。

  

しかし、たらこれも一種のミソフォニアなのかもしれません。

  

気になったので、記事にしてまとめてみました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました