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【行動経済学⑧】あなたの選択もコントロールされてるかも~おとり効果~

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前回記事

 

この記事では以前概要をまとめた、【要約】行動経済学ってそういうことだったのか!【紹介】の内容をさらに深堀りながら復習していきます。

    

著書で紹介されている“プロスペクト理論”“バイアス”などの用語を中心に1、2テーマずつまとめようと思います。

    

今回のテーマは“おとり効果”です。

    

    

前回までの記事では、目に見えるものと自分の感覚が全てと言わんばかりに、様々な認識の歪みについてまとめてきました。

 

価格のイメージや買わせたい商品への誘導など、認識のズレはビジネスの場面でも広く応用されています。

 

今回はそんな認識とビジネスに関係する“おとり効果”についてまとめていきます。

 

 

おとり効果

 

おとり効果とは、ある選択肢A、Bで迷っているときにさらに別の選択肢Cを提示することで選択をコントロールされてしまうというものです。

 

ここで質問です。

 

【質問①】

次の選択肢のうち、一つだけ品物を選んでください。

 

【選択肢】

A:うな重 3,200円

B:上うな重 4,200円

C:特上うな重 5,800円

 

それぞれ好みの違いもありますが、どれを選んだでしょう?

 

では続いてもう一つ質問します。

 

【質問②】

次の選択肢のうち、どちらか一方の品物を選んでください。

 

【選択肢】

A:うな重 3,200円

B:上うな重 4,200円

 

さて、どちらを選んだでしょう。

 

似たような実験をすると、質問①ではBが選ばれやすく、質問②ではAが選ばれやすいという結果が示されます。

 

A、Bの値段を変えたワケでもないのに、選択肢Cが出てくることによって結果が変わってしまう。

 

これが“おとり効果”です。

 

この場合では特上うな重5,800円がおとりの基準となり、予算さえもその値段に引っ張られてしまいます。

 

目に見えた数字にアンカリングされてしまっているということですね!

 

よくお店で見る“松竹梅戦略”もこの効果を狙ったものと考えられます。

 

 

税込が“見える”と売上減

どうやら我々は目に見えたものに多く判断を左右されるようです。

 

それは日常における買い物などの消費活動でも顕著に現れます。

 

アメリカの経済学者ラジ・チェティ氏ら2009年に行った研究では、値札に税込の表示がある場合、税抜表示の時よりも売上が落ちるという結果が示されました。

 

参考)

Salience and Taxation: Theory and Evidence

 

実験は実在するスーパーマーケットで行われました。

 

Salience and Taxation: Theory and Evidence より

 

化粧品、ヘアアクセサリー、デオドラント商品などヘルスケア用品750品目を対象に、普段表示している税抜の値札に加えて税込の値札を追加しました。

 

店舗マネージャーの頼みにより、3週間の実験に止めることになりますが、その3週間だけでも十分な比較用のデータを得ることができました。

 

実験の結果、税込価格の値札を付けた商品は、約8%ほども売上が落ちるということが判明します。

 

払う金額は同じなのに、会計の前に高い値段を見てしまうと、購入をためらう……。

 

この実験から読み取れるのは、やはり人間は、実際に払う金額ではなく目に見える金額に引っ張られてしまうということですね

 

 

まとめ

・おとり効果=ある選択肢を増やすことで、本来の選択をコントロール可能な効果

・おとり効果によって予算さえもコントロールされる

・払う金額が同じでも税込価格だと売上が落ちる

・人は見たものによって判断を左右される

 

以上、おとり効果についてのまとめでした!

 

特に消費税は私たちにも直結する話なので、見た目の値段だけで判断しないようにってことですね。

 

売上減少については日本でも2004年に税込表示が義務化された際、消費が著しく落ち込んだ経験があります。

 

その後の消費税転嫁対策特別措置法(平成25年法律第41号)によって、条件付きで税込表示義務を免れることになりますが、この特例が失効した令和3年4月1日からは再び税込表示義務が適用となっています。

 

消費者にとっては値段の計算がやりやすく買い過ぎも抑えられて家計の助けになりますが、小売業者にとっては分の悪い話しですね。

 

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