【行動経済学④】損の悲しみ>得の喜び~プロスペクト理論~

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この記事では以前概要をまとめた、【要約】行動経済学ってそういうことだったのか!【紹介】の内容をさらに深堀りながら復習していきます。

 

著書で紹介されている“バイアス”“ナッジ”などの専門用語を中心に定期的に1テーマずつまとめようと思います。

 

今回のテーマは“プロスペクト理論”です。

 

   

プロスペクト理論

  

プロスペクト理論は人間の意思決定モデルのひとつで、“その人の状況や与えられた条件によって認識を歪めてしまうこと”を言います。

  

まずは例を挙げてこの理論を感じてみましょう。

  

例1)

A:必ず100万円もらえる

B:コインを投げ、表が出たら200万円がもらえるが、裏が出たら何ももらえない

  

あなたならどちらを選択しますか?

  

プロスペクト理論に関する実験では、多くの場合は“A”を選択することが多いことが分かっています。

  

ではここに一つ条件を加え、聞き方を変えます。

  

例2)

条件:あなたには借金200万円がある

A:200万円の内100万円分の借金を免除にする

B:コインを投げ、表が出たら借金200万円は帳消し、裏が出たら借金はそのまま

  

聞き方は変わりましたが、質問の内容は同じです。

 

このパターンでは多くの場合“B”を選ぶそうです。

  

人が置かれた前提が変わることで判断に違いが出ることを何となく感じることができると思います。

  

また利益を得られる状況では利益を逃すリスクを回避しようとし、すでに損失がある状態ではリスクを負ってでもその損失を回避しようとすることもこのことから分かります。

  

 

プロスペクト理論と満足度

消費者の経済的な取引や動きを分析するミクロ経済学に“期待効用仮説”というものがあります。

  

人は不確実性の中に置かれた際、なるべく期待値の高い選択をするだろうという仮説です。

  

しかしこれまでの記事でまとめたように、必ずしも期待値の高い選択をするわけではないということはすでに分かっています。

 

行動経済学者のカーネマン氏らはこの仮説がどうも現実的ではないと考え、その代わりに主張したものが“プロスペクト理論”です。

  

この理論の大きなポイントは大きく分けてふたつ、“①満足度は「水準」ではなく「変化」で決まる”“損する悲しみは、得する喜びよりも大きい”ということです。

 

  

【①満足度=変化】

 

ここで質問です。

  

以下の選択肢A、Bではどちらの方が満足度が高いと思いますか?

選択肢)

A:ボーナスで100万円もらった。しかし本当は200万円の予定だった。

B:ボーナスで100万円もらった。しかし本当は50万円の予定だった。

  

満足度が高いのは明らかにBです。

  

Aの場合は200万だったのが100万に減らされてしまい損といった気分。

  

Bの場合は50万だったのに50万増やされて得といった気分。

  

これが満足度は「水準」ではなく「変化」で決まるということです。

  

もし水準で満足度が決まるとしたら、どちらも同じ満足感を得られるハズです。

  

しかし実際はそうではないことがこの質問で明らかにすることができます。

  

  

【②損の悲しみ>得の喜び】

  

人は、得することより損することを恐れる傾向があります。

  

損とはいったどのような状態でしょう?

  

それは参照点から増えているか減っているかで決まります。

  

先ほどのボーナスの例でいうと、Aでは200万円が参照点で、Bでは50万円が参照点です。

 

参照点から計算すると、Aは-100万円Bは+50万円です。

  

参照点の比較になるものは様々です。

  

友人のボーナス額かもしれませんし、去年のボーナス額かもしれません。

  

とにかく一度認識した基準から下回ったら損になり、何かを得する喜びそれを損する悲しみには勝てないということがプロスペクト理論では主張されています。

  

またその損が出ることを避けようとすることを“損失回避”と言います。

  

  

まとめ

プロスペクト理論=状況や条件による認識の歪み

満足度=「水準」ではなく「変化」

・損の悲しみ>得の喜び

  

以上、プロスペクト理論から分かる人間の認識についてでした!

  

マーケティングにおける“限定○○個”“期間中に登録で○○ポイント進呈”なども、この損失回避の心理的な効果を狙ったものですね。

  

損失回避のために自分の判断が間違っていないかどうか、一度立ち止まって考えることが大切ですね。

 

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