ある元素を別の元素に変換する不思議な膜

科学
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元素の変換についての研究

 

今回は現在三菱重工が実用化に向けて研究中の“ある元素を別の元素に変換する技術”についての話です。

 

現在私たちの身の回りの元素を意図的に別の元素に変換するには、莫大なエネルギーが必要だったり相応のリスクがつきまといます。

 

そんな元素の変換に関して新たな手法の確立に繋がるかもしれない研究を紹介します。

動画で参考にされている論文などは以下のものです。

重水素透過によるナノ構造多層反応膜上での元素変換反応(2015年)

重水素透過によるパラジウム多層膜 上での元素変換の観測(2005年)

 

 

研究について

この研究では、重水素とパラジウム多層膜を使って元素を変換する実験を行なっています。

 

・パラジウムと酸化カルシウムの多層膜に変換させたい元素を添加

・重水素を透過させると添加した元素が別の元素に変換される

 

と単純なプロセスで元素変換の結果を観察することができます。

 

変換を起こすための装置の構造は単純で、1気圧の重水素で満たされた部屋真空の部屋の間を多層膜で仕切るというものです。

 

重水素透過によるナノ構造多層反応膜上での元素変換反応 より引用

 

この多層膜を重水素ガスが通り抜け変換を起こします。

 

動画で示されている具体的な変換の例は、セシウムがプラセオジムに変換されるというもの。

 

放射性物質による害がない物質に換えることもできるため、放射性廃棄物の処理問題の解決に期待が持てる研究でもあります。

 

その他変換が観測された例として以下のようなものが挙げられています。

 

重水素透過によるナノ構造多層反応膜上での元素変換反応 より引用

 

・バリウム▶︎サマリウム

・ストロンチウム▶︎モリブデン

・タングステン▶︎プラチナ

・タングステン▶︎オスミウム

・カルシウム▶︎チタン

 

従来の元素変換の実験では大型の加速器など多くの電力やエネルギーを必要とするのに対し、この実験では電力を消費する必要はありません。

 

その代わり反応までに時間が必要になります。(セシウム▶がプラセオジムに換わるまで約100時間)

 

また変換される元素も極めて少ない量なので現段階では実用的ではありません。

 

タングステンがプラチナになる反応から錬金術として希望が持てますが、多くのタングステンがオスミウムになってしまうため、プラチナになる量は僅かだと考えられます。

 

この現象が起こることは分かっていますが、なぜこのような元素の変換が起こるのかは解明されておらず、現在でも研究が進められています。

 

 

まとめ

・パラジウムと重水素によって元素の変換が可能

・今実験のように変換させるにあたっては、電力は必要としない

・複数の元素で変換の反応を確認

・原理は不明(研究中)

 

まさに近代科学による錬金術!

 

と言いたいところですが実用化にはまだ時間は必要なようですね。

 

研究が進み放射性廃棄物の処理に関する問題が解決できたら、新しい資源としても活用ができるかもしれませんね。

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