最後の試練~クピドとプシュケ(終)~

神話
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の続き…。

  

冥界の美

ヴィーナスから与えられた試練をなんとかクリアしてきたプシュケ。

 

彼女に与えられた最後の試練は、冥界の女王プロセルピナ(ギリシャ神話でのペルセポネ)から美を分けてもらうことでした。

 

エドワード・マシュー・ヘイル作「プシュケと玉座のヴィーナス」1883年

 

王プルート(ギリシャ神話でのハデス)が治める冥界は死者の国です。

 

人間が冥界に行くということはすなわ”死ぬ”ということでした。

 

要するにヴィーナスは、プシュケに死ねと言っていたのでしょう。

 

最後の試練を聞いたプシュケでしたが、クピドへの想いを抑えることができず、塔から身を投げて命を絶とうと考えました。

 

いざ身を投げようと塔の上に立ったとき、どこからか声が聞こえてきました。

 

「哀れな娘よ、なぜ自ら命を絶とうとするのか。今までお前は多くの者に助けられ、ここまできたではないか。」

 

声の主は、死者の川の渡り方や冥界の怪物(ケルベロス)の追い払い方など、プロセルピナに会うための方法を教えてくれました。

 

そして最後に…

 

「プロセルピナが美を箱に入れたら、決して開けてはならない。」

 

と言葉を残し、その声は消えていきました。

 

 

冥界へ行くプシュケ

勇気振り絞り冥界への道を征くプシュケ。

 

塔の声の主の助言通り、現世と冥界の渡し船の主(カロン)に口から船賃を渡し、冥界まで辿り着きました。

 

ジョン・ロッダム・スペンサー・スタナップ作「プシュケとカロン」

 

(ちなみにカロンは、英雄のヘラクレステセウス、詩人のオルフェウスなどに脅されたり、お金で買われたと色々苦労する描写が多い神です。)

 

首尾よくプロセルピナから美の入った黄金の箱をもらうことができたプシュケ。

 

もうすぐ試練が全て終わるという安堵から、帰り道に水を飲もうと川に顔を近づけると、何ともやつれた自分の姿が水面に映っていました。

 

「(少しくらい”美”の秘密を分けてもらっても良いだろう…。)」

クピドに会うために身を整えようと考えたプシュケは、決して開けてはならないと言われたプロセルピナの黄金の箱を開けてしまいました。

 

ジョン・ウィリアム・ウォーターハウス作「黄金の箱を開けるプシュケ」

 

箱の中から出てきたのは、永遠の眠りでした。

 

地獄の瘴気に包まれたプシュケは二度と目が覚めない永遠の眠りについてしまいました。

 

 

“クピドとプシュケ”

プシュケの事態を知ったクピドは、何もかもを投げ出し彼女の元に飛んでいきました。

 

プシュケを目の前にしたクピド。

 

そっと彼女に口づけをすると、身体の瘴気を吸い取り箱に戻しました。

 

アントニオ・カノーヴァ「クピドの口づけで目覚めるプシュケ」1824年完成

 

眠りから覚めた彼女は、プロセルピナの美が箱から消えてしまったことを嘆きました。

 

ヴィーナスの試練を達成できず、クピドと結ばれることがなくなったからです。

 

そんなプシュケをよそに、クピドは散っていった地獄の眠りを全て箱に戻しこう言います。

 

「そのまま試練を全うしなさい。」

 

こうしてプシュケは、プロセルピナの黄金の箱をヴィーナスに渡すことができました。

 

 

結婚

ただの人間であるプシュケが全ての試練を乗り越えたことに驚いたヴィーナス。

 

とうとう彼女を認め、クピドとの結婚を許します。

 

しかし人間であるプシュケは神であるクピドとは結婚できません。

 

そこでヴィーナスは、神々の王であるジュピターに直談判。

 

「ハーキュリー(ギリシャ神話のヘラクレス)のように、人間だった者を神にしてはくれないだろうか?」

ラファエロ・サンティ作「クピドとプシュケの結婚」1510~19年

 

神々による話し合いの末、プシュケは“ネクタル”という神々が飲む酒を口にすることで神々の仲間入りを果たしました。

 

こうしてクピドとプシュケは無事に結婚。

 

ヴィーナスの嫉妬から始まった恋の物語は幕を閉じるのでした…。

 

ウィリアム・アドルフ・ブグロー作「プシュケーの誘拐」1895年
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