フランス革命とバーク
人権宣言(基礎にコモン・センス)の精神に基づいて起こったフランス革命。
ルイ16世のギロチンによって幕を閉じた革命ですが、アイルランド生まれの思想家エドマンド・バークはこのフランス革命に異議を唱えました。
積み上げられてきた経験と習慣を大切にすべきだ。
バークはフランス革命についてこう考えました。
王国を築いたからといって、王侯や貴族に絶対的な権力を与えることは正しくない。
しかし、彼らが長い歴史の中で積み上げてきたものを簡単に壊すことも正しくない。
お互いをコントロールし、議会政治を進めていくことが賢い選択ではないか。
彼は“人間の頭脳や感情よりも、積み上げられてきた経験と習慣を大切にするべきだ”と考えたのです。
これらの主張をまとめた書が、エドマンド・バーク著“フランス革命の省察”です。
フランス革命の省察
この著書には“人間の理性を全能と考え、自由・愛・平等を訴えたところで何ができるのか?”と革命の根源を否定する内容が書かれています。
経験の裏付けがないものを簡単に信じるのではなく、少しずつ社会を良くするために行動するべきだという趣旨を全面に出しています。
世界で初めて“保守主義”という言葉が使われたのが、この”フランス革命の省察”といわれています。
これらのことからエドマンド・バークは、後に“保守主義の父”と呼ばれるようになります。
バークVSペイン
バークの保守的な考えから、様々な著書が発刊されていくようになります。
しかし、これに対して怒りを顕にした人物がいました。
コモン・センスの生みの親トマス・ペインです。
ペインは保守派への反論として、“人間の権利”を執筆しました。
そしてこれらの対立が、今でも使われる“保守派VS革新派”という対立構造を生み出したのです。
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