人間は細胞分裂で身体を作っていくのはご存知のとおりです。
しかしその細胞分裂も回数に制限があり、ある規則に従って分裂し続けることにより、最後は分裂することができなくなります。
人間における寿命と呼ばれる最後です。
今回はそんな細胞と寿命の研究でノーベル賞を受賞した、「エリザベス・ブラックバーン」による講演“The science of cells that never get old”が面白かったので、頭の整理を兼ねて要約しました。
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決して年を取らない細胞
世の中では、年を取らない生物がいます。
今回の研究のきっかけになった生物「テトラヒメナ」もその生物のひとつ。
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生物の寿命を決める要因に「テロメア」が関係していると言われています。
人間を含め地球上の多くの生物は、細胞分裂(cell divisions)をするたびにテロメアが短くなります。
テロメアが短くなったとき、あるいは極端に短くなったとき、体は細胞分裂を止め死へと向かいます。
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しかし、テトラヒメナの細胞分裂にテロメアは関係ありません。
テロメアが減るどころか増えることさえあります。
ではこのテトラヒメナを永遠に分裂できるようにしている要因は何なのか…?
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テトラヒメナはテロメラーゼ(テロメレース)という酵素によって、テロメアを延長することができます。
つまりテロメアが短くならないのではなく、短くなってもまた再生することができることが分かりました。
テロメラーゼのリスク
では人でも同じように、テロメラーゼを再現することができたら…?
そう考えた彼女らですが、あるリスクがあることが判明します。
それは細胞のガン化です。
実は人間の体内にも年を取らない細胞があります。
生殖細胞とガン細胞です。
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両方ともテロメラーゼ酵素が活発に働き、栄養源がある限り際限なく細胞分裂をすることができます。
つまり、細胞の寿命を無理やり伸ばすことは、ガン細胞に近づくということでもあるのです。
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ストレスとテロメア
彼女らの研究は続きます。
年齢の割に老けて見える人とそうでない人は、テロメアやテロメラーゼに違いがあるのではないか?
日常的に介護や障害支援を行っている家族を対象に、慢性的なストレスを抱えている人とそうでない人について追跡調査を行いました。
4年の研究の結果、明らかな相関関係が見えてきました。
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日常的にストレスに晒されている人は、そうでない人に比べて、明らかにテロメラーゼの活性が低かったのです。
これによりストレスと寿命や見た目の年齢の関係が分かってきました。
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しかし同じ境遇や環境でも、テロメラーゼの活性が高いままの人もいました。
一体何が違うのか…?
更に研究を続け、一つの結論が出ました。
「考え方の違い」です。
介護や障害支援の環境を「永遠に続く大変なことだ…」と考えるのか、「次に繋げるチャレンジ」と考えるのかで、テロメアの修復に違いが見られました。
ネガティブ思考なのかポジティブ思考なのかの違いです。
「ストレスは寿命を縮める」という一つの結果ですね。
またテロメア修復には、瞑想が効果的な事も後半で伝えていました。
1日12分の瞑想を2ヵ月続けただけでも、テロメアの補修能力が改善されたと言います。
終わりに
寿命を伸ばす研究はまだ発展途上のようですが、メカニズムが解明されつつある今、いつかは生き続けることができる未来も創造できますね。
今できることは、何事もポジティブ思考でいるべきだということ。
ポジティブになるために、ネガティブ思考で最悪の状況に備える事も大切だと思っています。
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