白金色の金属ベリリウムは、硬く溶けにくい上に軽いという性質をもっています。
腐食、水分、弱酸などにも耐性があり、宇宙分野や原子力関連の機械部品など役立っています。
身近なところだと、ベリリウム銅合金としてハンマーやスパナなどの工具に用いられたり、ベリリウム製のバネ(鋼製の数倍の強度)などにも使われています。
宝石の色成分
緑柱石(Be3 Al2 Si6 O18)はベリリウムとアルミニウムを主成分とする鉱石です。
元々ベリリウムに色は無く、他の元素と混ざり合うことで色がついていきます。
・アルミニウム→無色=ゴシェナイト
・マンガン→赤色=モルガナイト
・鉄(Fe2+)→青=アクアマリン、サンタマリア
・鉄(Fe3+)→黄=ヘリオドール、ゴールデンベリル
・クロム→緑=エメラルド
単体では毒性がある
ベリリウムの粉塵には強い毒性があります。
粉塵を吸い込むとベリリウム症と呼ばれる症状を引き起こし、咳や発熱、慢性肺炎や肺がんになることが分かっています。
潜伏期間は数週間~20年間以上と個人差があり、その後の死亡率は37%とかなり高いです。
マンハッタン計画などの初期の原子力実験では、中性子減速材としてベリリウムが使用されており、実験にかかわった研究者がベリリウム症で命を落としています。
豆知識
そんな美しさと危険性を持ち合わせたベリリウムですが、ベリリウムの化合物(塩化ベリリウムなど)は“甘い”そうです。
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