の続き…。
今回は太陽神ラーとラーに関係のある神々の紹介です。
この紹介だけ見ても、太陽神の苦労が伺い知れます。
ラー(Ra)
天空(太陽)と深い関わりのあるハヤブサの頭をもつ太陽神です。
あらゆる時代、ほぼ全てのエジプトの地域で信仰されたゴッドオブゴッドです。
ヘリオポリスの太陽神アトゥムと習合し“アトゥム・ラー”となったり、ホルスと習合し“ラー・ホルアクティ”になったりと非常に忙しい存在です。
更に忙しいことに、ラーの日課は自信の象徴である太陽を船に乗りながら運ぶことです。
蛇神アポピスの妨害を受けながら、他の神を率いてこれを退ける毎日を送っています。
トト(Thoth)
世界で初めて計算を行い、宇宙の法則を作ったとされる知恵の神です。
頭はトキの顔です。
「全ての事象は記録するべし」と常にメモをとっています。
エジプトの古文書である死者の書でも…
やはりメモをとっていますね。
ラーの日課であるアポピス退治において、参謀として共に出陣しています。
きっとメモをとっているのでしょう。
ケプリ(Khepri)
フンコロガシ(スカラベ)をそのまま頭にしてしまった神です。
見ごたえのある姿ですが、このケプリも太陽神です。
古代エジプト人はフンコロガシが糞玉を転がす様子を、日の出と日没の姿に重ねたのです。
主に日の出や朝を司っています。
「発生する」「生成する」という意味の“ケプリ”という言葉があります。
これはフンコロガシの糞玉から幼虫が自然発生すると考えられたことが由来です。
朝になると太陽が「発生する」ことから、この神の名はケプリと言われるようになったと考えられている。
セクメト(Sekhmet)
長くラーを信仰していた人間にも遂に飽きが来ます。
ラーは自身への信仰が薄くなったことに激怒し、怒りに任せ自身の片目を抉り取ってしまいます。
その目から生まれたのが、獅子の頭を持つ神セクメトでです。
人間を懲らしめるように言われたセクメトは殺戮マシーンと化します。
人類を滅亡の危機まで追い込みますが、まさかそこまでやるとは思わなかったラーは慌てて彼女をなだめに行くことになります。
本来は人々を病気から守ったりと慈悲深神です。
セクメトから残虐性を抜きとった姿は、多産や愛情の神バステトととも同一視されています。
バステト(Bastet)
猫をペットとして飼い慣らせたのはエジプト人が始まりだといわれています。
バステトはそんな猫の頭をもつ神です。
猫は多産の象徴であり、人間と共に子を守り育てる姿は愛情(や豊穣)を司るとされています。
その手に持つのは、子どもをあやす楽器のおもちゃシストラムです。
ラーと敵対する者と戦う時は、盾と短刀を手に取りセクメトのように戦う一面を見せます。
アポピス(Apophis)
闇、悪、混沌を司る魔物であり太陽神ラーの宿敵です。
大蛇の姿で現れ、ラーの日課である太陽の運行を妨害します。
太陽が毎日昇るということはラーたちがアポピスを退けていることを表しますが、たまにアポピスが勝つことがあります。
それが日食であるといわれていました。
干ばつ、嵐、自然災害などはこのアポピスが原因とされ、その脅威を避ける術が書かれた呪術書“アポピスの書”がつくられるほどでした。
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