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ビットコインが経済に食い込むきっかけになった事件~キプロス危機~

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キプロス危機

2009年、ギリシャでの巨大な財政赤字が明るみに出てギリシャ国債が暴落した出来事がありました。

 

ギリシャと関係が深いキプロスの国際も同様に下落。

  

政府は財政難に陥り、銀行は経営の目処が立たない状態に。

  

キプロスでの経済危機をキプロス危機(ショック)と言います。

キプロス共和国
キプロス共和国

 

  

危機に対する支援と条件

2013年には、キプロス政府はEUとIMFから205億ドルの支援を取り付けることができました。

  

しかし条件として銀行は一度の課税で75億ドル調達せよというものでした。

  

こうして政府はキプロス銀行の貯金に最大9.9%の課税することになりました。

 

更に政府は一日に銀行から引き出せるお金を制限するなど、銀行からお金を流出させないような措置をしました。

  

引き出せる上限は一日300ユーロ(約37,000円)までだったそうです。

 

  

国民の反発

課税と引き出し制限の発表を聞いた国民は当然反発。

  

議会前での抗議デモや、預金引き出しのために銀行やATMには連日行列ができるなど国中で大混乱が生じました。

  

また、ガソリンスタンドや小売店などはクレジットカードや小切手での支払いを受け付けなくなり、現金のみでのやり取りしかできなくなりました。

  

このことによって売り上げが大幅にダウンし、国民の消費活動がストップするなど経済への打撃もありました。

キプロスショック

 

  

キプロス危機とビットコイン

この時注目を浴びたものが、今では既にお馴染みの“ビットコイン”です。

  

キプロスはその高金利と低税率から、タックスヘイブンとして他国、主にロシアから多額のお金を集めていました。(タックスヘイブン=一定の税率が免除or大幅に減額される国や地域のこと)

 

他国からキプロスにお金を預けている人たちは、課税をされる前に一刻も早くキプロス以外の国にお金を送る手段を探します。

  

ブロックチェーン技術を応用し、迅速で低手数料な送金ができるビットコインは、正にうってつけだったわけです。

  

2013年3月16日には過去最高の終値4,597円を叩き出しました。

  

このキプロスショックによって、ブロックチェーン(というよりはビットコイン)の使い方や資産保護のメリットが世界中に広まり、同年12月には25倍以上もの123,000円の終値を叩き出しました。

  

銀行を介さずに海外に送金でき、場合によっては資産を保護できることなど、意図せずに仮想通貨の使い方を世に知らしめた事件でもありました。

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