【ギリシャ神話:ヘラクレス編⑨】ヘラクレスに惚れ込むアマゾネスの女王

神話
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続の続き…。

 

第九の試練:アマゾネス女王の金の帯の入手

次にヘラクレスに与えられた試練は、アマゾネスの女王ヒュッポリテが所持している帯を入手することです。

 

エウリュステウスの娘アドメテがその帯を欲しがったため、ヘラクレスにお使いの任務が課せられました。

 

・アマゾネスとは…?

アマゾネスはギリシャ神話に登場する、女性だけで構成された部族たちのことです。

 

軍神アレスを祖先とする民族で、弓を引く際に邪魔になる乳房を切り落とすほど徹底された戦闘集団です。

 

部族に関係なく屈強な男と関係を持つことで、強い女性の子孫を残しながら反映してきました。

 

男が生まれた場合は、殺すか、去勢し奴隷にするか、父親の元へ返すそうです。

ヨハン・ハインリヒ・ヴィルヘルム・ティシュバイン作「アマゾネスの戦士達」

さて、ヘラクレスはこの第九試練達成に向け、武器や兵、船を用意し戦うことを覚悟でアマゾネスの部族たちの集落へ向かっていきます。

 

アマゾンの港テミスキュラに船が着くと、侵入者を察知したアマゾネスの集団が即座に現れます。

 

ヘラクレスの姿を見たアマゾネス女王ヒュッポリテは、自ら言葉を交わします。

 

「一体何をしに来た!」

 

とヒュッポリテが尋ねると、ヘラクレスは事情を話し帯を譲ってくれるよう頼みます。

 

「…よかろう!」

 

意外にもあっさりと帯を渡してくれる事を約束してくれます。

 

ただし、アマゾネスとの間に子どもを作ることが条件でした。

 

ヒュッポリテはヘラクレスの嘘偽りのない態度と、何よりその半神半人の強靭な肉体に惚れ込んでしまったのです。

 

ヘラクレスは連れてきた兵士たちと一緒に、港で女王と一晩過ごすことになりました。



 

このことを良く思わなかったのが女神ヘラです。

 

どれだけ難行をこなしてもヘラクレスのことを良く思わないヘラは、アマゾネスの侍女になりすまし騒ぎを起こします。

 

「ヘラクレスが女王をさらおうとしている!」

 

とデマを流したのです。

 

戦闘集団で血の気の多いアマゾネス達は、女王を奪還するため軍を率いて港に押し寄せます。

 

騒ぎに気付いたヘラクレスは、ヘラの仕業だと知る前に「自分は騙されていた」と早合点。

 

女王ヒュッポリテを殺し帯を奪い船で即座に退却します。

アッティカの黒絵式壺絵「アマゾンネスと戦うヘラクレス」

(ヘラの画策があったことを知ったヘラクレスは、後に自分がやってしまったことを後悔したと言います。)

 

神の怒りに触れていたトロイア

 

アマゾンの港から去り、黒海の先のトロイア港に到着したヘラクレス。

 

この時トロイアは、神であるポセイドンとアポロンの怒りに触れている最中でした。

 

怒りの原因はトロイア王ラオメドン。

 

トロイアの首都イリオスにあるベルガモンの城壁を築く際、ポセイドンとアポロンが人間に化けて城壁の建造を手助けしますが、王ラオメドンは城壁が完成したにも係わらず二人に報酬を渡しませんでした

 

それどころか、手足を縛って売り飛ばすぞと脅しをかけて追い払おうとしたのです。

 

これに怒ったポセイドン達は、街に疫病と洪水を引き起こしていたのです。

 

そんなときに寄港したヘラクレス。

 

ラオメドンは神の怒りを鎮めるために、娘であるヘシオネを海の怪物(ケートス)に捧げなければなりませんでした。

 

ラオメドンはヘラクレスに

 

「娘を助けてくれたら聖なる馬をやろう」

 

と約束。

 

神ゼウスが従える牝馬の血を引いた馬をくれると言ったのです。

 

ヘラクレスは快諾し、怪物を殺しヘシオネを助け出します。

アッティカの黒絵式壺絵「ケートスと戦うヘラクレス」

娘を助けた報酬を貰おうとラオメドンのもとへ向かいますが、ドケチ王ラオメドンは

 

「そんなこと言った覚えはない。」

 

と約束を反故にします。

 

これに怒ったヘラクレスは、

 

「こちらも急ぐ身であり、お前の戯言の相手をしている暇はない。」

 

「そのうちトロイアを攻め落とすから覚悟していろ。」

 

と言い残しトロイアを去っていきました。

 

その後、アイノス港、タソス港、トロネ港と進み、人助けをしたり相撲で相手を殺してしまったりと、四コマ漫画もびっくりのスピード感でミュケナイに寄港。

 

金の帯をエウリュステウスの娘に渡し、第九試練クリアとなりました。

 

次回:「ゲリュオンの紅い牛」

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