ルネサンス期における芸術家を支えた、最大の支援者であるメディチ家。
13世紀頃からフィレンツェで薬屋を営み財を成し、14世紀には銀行業を営んで富を築いていった一族です。
メディチ家の家紋
家紋には、どの時代にも丸い玉がはめ込まれていて、薬屋時代の名残である「丸薬」だと言われています。(諸説あり)
また、時代によって家紋に紋章が追加されたりと進化していきます。
フランス王家であるヴァロワ家の紋章である「百合」を記すことが許されたり、ローマ教皇の証である「鍵と王冠」を使うことができたりと、外交においてもかなりのやり手だったことが分かります。
後にメディチ家出身のローマ教皇として、レオ10世(本名:ジョバンニ・デ・メディチ)の名が挙がるほどに力を持っていました。
メディチ家による芸術家の保護
宗教においても大きな権力と富を持っていたメディチ家は、制限されていた古代ローマ的な芸術の復興を支援していきます。
メディチ家が保護した主な芸術は、ダビデ像を作ったドナテッロや、ヴィーナスの誕生を描いたボッティチェリなどが挙げられます。
その他有名な芸術家と言えば、レオナルド・ダ・ヴィンチやミケランジェロなど後世に語り継がれるようなビッグネームも存在していました。
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自身が権力と財力など政治的な実権を握ることで、教会と封建制度によって抑圧されてきた、人間としての自由や楽しみ方の実現に貢献してきた一族だったのですね。
何とメディチ銀行としてお金を動かしていたころは、ローマ教皇庁の財務管理者として活躍しているほどお金の扱いに長けていました。
財布を握られちゃぁ、そりゃ文句も言いにくいですよね。
【豆知識】免罪符を発行したのもメディチ家
派手好き&お祭り好きなメディチ家出身のローマ教皇レオ10世。
ルネサンスの発展に多大な貢献をしましたが、散財癖が尾を引いて教会の財政が悪化してしまいます。
そこで教会の財政を立て直すために免罪符を発行します。
(免罪符=罪の償いが免除されるとして、金銭と交換できた証書)
これによって教会の財政を立て直すことができましたが、このことがルターらによる批判を呼び、宗教改革のきっかけを作ってしまったりと負の面もありました。
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