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【論文】お菓子、ジュースによる脳への悪影響をサバが救う【要約】

科学

面白い論文を見つけました。

  

ジュースなどによく含まれている“果糖ブドウ糖液糖”についての研究です。

  

  

今回は、この果糖ブドウ糖液糖が脳に与える悪影響と、ドコヘキサエン酸(DHA)がそれを緩和してくれるという研究をまとめた論文についてお伝えしていきます。

 

論文元PDF)↓
Systems Nutrigenomics Reveals Brain Gene Networks Linking Metabolic and Brain Disorders 
https://www.ebiomedicine.com/article/S2352-3964(16)30143-8/pdf

 

【論文の導入】

過去数十年間、「安全で健康」な甘味料として扱われてきたフルクトース。

  

しかし、人の遺伝子に近いマウスで実験を重ねるに連れ、脳の海馬領域に悪影響を与え、海馬に依存する記憶力の減少が見られます。

 

さらに、脳障害の病理を悪化させる研究結果が得られています。

  

ところが、DHAがフルクトースによる脳への影響を打ち消すことが分かってきました。

  

今回、マウスの食事を意図的に調整し、影響や結果を分析します。

 

  

【実験と結果】

この研究では、生後2ヶ月の雄のマウスに3種類の食事を与え続け、最後に迷路を使って記憶力を試す実験をします。

 

  

~3種類の食事~

①通常食(Control)
フルクトースもDHAも含まれていない通常の食事

  

②フルクトース(Fructose)
餌と水の15%がフルクトースを含む食事

  

③フルクトース+DHA(Fructose+DHA)
餌のうち、フルクトースが15%、DHAを多く含む亜麻仁油が0.5%、DHAカプセルサプリが1.2%含まれる食事

  

これらをそれぞれ6週間与え続けます。

 

ちなみに今回のフルクトースを多く摂取する②の食事をヒトに例えると、

60kgの人間が1~2Lのソーダ(砂糖120g)を毎日摂取しているのと同じ状態です。

 

  

【結果】

  

左から…

blood glucose=血糖値

serum triglycerides=中性脂肪

serum insulin=血中インスリン
(↑糖の吸収を促す)

insulin resistance=インスリン抵抗値
(↑インスリンの効果を調整する)

latency in the Barnes maze=バーンズ迷路試験
(迷路を使って記憶力を試す実験)

  

となります。

  

バーンズ迷路とはこんな感じで記憶力を試す実験です。(英語)↓

  

結果が顕著なのは、記憶力実験(赤枠)におけるDHA餌の効果ですね。

  

ゲージが長ければ長いほど、記憶力が低く迷路に残されていたという状態です。

(赤枠のグラフ参考↓)

一番左の白のゲージが①の通常食
真ん中の灰色のゲージが②のフルクトース食
一番右の黒のゲージが③のフルクトース+DHA食

  

真ん中のフルクトース食のマウスが、一番長く迷路に取り残されていたということですね。

  
そしてDHAを摂取したマウスは、正常値に近い記憶力まで抑えることができています。

  
それ以外にもDHAを摂取したマウスは、フルクトースによる作用を抑えていますね。

 

  

【まとめ】

・果糖ブドウ糖液糖の影響
→血糖値をより上昇させる
→糖を身体に吸収しやすくなる=太りやすくもなる
→記憶力も低下する

  

・DHAの効果
→糖の吸収を正常値近くまでコントロールする
→記憶力低下を抑える

  

・ジュースを飲んだり甘い物を食べるときは、DHAも意識しよう!

  

・DHAが多く含まれている食品=サバ

  
ということは…サバやイワシ味のジュースやお菓子があれば解決…?

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