の続き…。
エピソード6「ペルシャ軍の戦略」
遂にマケドニア軍VSペルシャ軍の戦いが始まります。
心身では有利に立っていたマケドニア軍でしたが、数でも地形でもペルシャ軍が圧倒的に有利でした。
【ペルシャ軍の戦略】
ペルシャ軍は平地と大軍を利用した常套手段をとり、包囲作戦で押しつぶそうと考えました。
更にペルシャ軍は鎌付きの強力な戦車を用意していました。
中央に集まった敵を一掃する考えです。
そのために、戦車の邪魔になる木や岩などを取り除かれるなど、自軍が有利になるよう入念に整備されていました。
エピソード7「マケドニア軍の戦略」
対してマケドニア軍は、両翼の兵を斜めに配置する対包囲戦の陣形をとりました。
積極的に攻めることはできませんが、防御に優れた形です。
短期的な持久戦となったら明らかにマケドニア軍は不利ですが、それを知らないアレクサンドロスではありません。
この戦術の中において、アレクサンドロスは親衛隊であるヘタイロイ騎兵隊を率いて右翼に構えていました。
ストラテジス(戦略参謀)であるパルメニオンは、左翼及び中央守備隊として戦車の対処と戦線の死守を命じられました。
エピソード8「ガウガメラの戦い」
かくして決戦の火ぶたは切られました。
始めに動いたのはマケドニア軍です。
軍の中央が少しずつ前進し、戦車隊との距離を詰めていきます。
ペルシャ軍にとっては、戦車と兵の距離が縮まれば縮まるほど威力を発揮できなくなります。
ダレイオス3世は早急に戦車隊の突撃を命じました。
それに合わせるようにペルシャ軍両翼の騎兵隊も攻撃を開始します。
しかしマケドニア軍は対戦車用の戦術を考案していました。
戦車は強力な兵器ですが、攻撃の際は直線的にしか動くことができません。
そこを逆手にとり、戦車の進行に対応して隊列に穴を空け、戦車が通った瞬間に隊列をもとに戻すという戦法をとったのです。
その場の判断で隊列を崩し、また整えるのは容易なことではありません。
余程の訓練成果と情報伝達能力があったことが戦果から伺えます。
この戦法によってマケドニア軍の中に放られた戦車隊は壊滅しました。
エピソード9「アレクサンドロスの狙い」
中央と左翼がペルシャ軍の攻撃を凌ぐ中、遂にアレクサンドロスが動きます。
防戦一方だったマケドニア軍右翼は、歩兵を撃破しながら戦場を右に拡大していきました。
一方マケドニア軍左翼のパルメニオンは、敵騎兵に押され隊列が崩れ始めます。
アレクサンドロスに救援要請を送るも、アレクサンドロスはそれを無視するように更に軍を右に展開。
するとペルシャ軍左翼もヘタイロイ騎兵隊を追うように軍を右に展開します。
自軍に有利に整備された戦場から遠ざかることを嫌がり、敵騎兵隊を包囲しようと考えたのです。
これこそアレクサンドロスの作戦でした。
マケドニア軍右翼を警戒するあまり、ペルシャ軍中央と左翼の間に隙ができたのです。
これをアレクサンドロスは見逃しませんでした。
右への展開を中止し、ペルシャ軍にできた隙間めがけて騎兵隊を転進。
自らが先頭に立ちダレイオス向け突撃を敢行していくのです。
続く…。
コメント