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2型糖尿病の発症リスクが上がる「質の悪い3つの食事」

生活

  

100年前まで、死の病として恐れられてきた糖尿病。

  

1921年、膵臓から分泌されるホルモンであるインシュリンの発見によって、さまざまな薬品が開発され、現在では糖尿病患者も他の人と同じように生活することができるようになりました。

  

糖尿病の原因は遺伝的なものもありますが、生活習慣からくるものもあります。

  

食べる物に溢れた現代では、誰しもがなり得る病気の一つである反面、行動次第でそのリスクを減らすことも可能です。

  

今回はそんな糖尿病に関係する研究についてのお話です。

 

分析によって、糖尿病と関係の深い食事の共通点が見えてきました。

 

参考記事)

Scientists Just Quantified The Shocking Extent of Type 2 Diabetes Due to Poor Diet(2023.4.29)

Study Links Poor Diet to 14 Million Cases of Type 2 Diabetes Globally(2023.4.17)

  
参考研究)

Incident type 2 diabetes attributable to suboptimal diet in 184 countries(2023.4.17)

Dietary exposure to nitrites and nitrates in association with type 2 diabetes risk: Results from the NutriNet-Santé population-based cohort study(2023.2.17)

  

  

質の悪い3つの食事

過去40年ほどの間に、糖尿病患者の数約1億人から5億人以上に急増しており、それに伴い肥満や心血管疾患のリスクなども上がっていることが問題視されています。

  

研究者たちは深刻化する健康問題に対し、背後にある根本的な問題について現在も調査をしています。

  

これまでの研究によると、糖尿病患者の95%が2型糖尿病であり、その原因は、肥満や血糖値のコントロールなど食事に関係することが指摘されています。

  

最新の研究では、1990年から2018年の間に収集された184ヶ国のデータを分析し、公衆衛生データベース、以前の研究、および人口記録から大規模な統計を導き出しました。

  

その結果、2018年に確認された2型糖尿病の症例1410万件が、不適切な食事に起因している可能性があることを発見しました。

  

原因と考えられる食事のうち、以下の3つが最も重要なことが示されました。

  

①全粒穀物の不足

②生成された米と小麦の過剰摂取

③加工肉の過剰摂取

 

です。

  

  

①全粒穀物の不足&②生成された米と小麦の過剰摂取

日本人においては、白米や市販で売られている食パン、普通のラーメンなどがこれに当たります。

  

玄米や小麦の表層(表皮や胚芽)に含まれる、食物繊維やビタミン、ミネラルといった栄養成分が失われてしまうためです。

 

その分、カロリーや糖質を摂取して満腹感を得るため、血中の糖度が上がってしまう危険性が高まります。

 

選ぶ際は、玄米(もしくは分づき米)全粒粉のパンや麺など選ぶことをオススメします。

  

③加工肉の過剰摂取

市販で安く売られているようなハムやソーセージ、ベーコンなどの加工肉がこれに当たります。

  

こういった食べ物は一般的に超加工食品と呼ばれ、保存性を高めるために様々な食品添加物が使用されています。

  

糖分や塩分脂肪を多く含むものが多い点に加え、色や風味を高めるために、硝酸塩が添加されている場合が多いです。

  

硝酸塩自体は自然の水や土壌にも含まれる成分であり、それ自体は人体に有害なものではありません。

  

しかし、体内で一定量を超える亜硝酸塩に還元されると悪影響があるとされています。

 

2023年2月にインペリアル カレッジ ロンドンによる研究より発表された研究においても、加工食品由来の亜硝酸塩は、発ガン性のあるニトロソ化合物の生成に関与し、インシュリン抵抗性を促す危険性が指摘されています。

  

インシュリン抵抗性=血糖値を下げるインシュリンの働きが悪くなる

 

インシュリンの働きが悪くなることによって、血液中の血糖値が下がりが悪くなり、糖尿病のリスクが上がるというメカニズムです。

  

その他、各研究の分析からはナッツや野菜などの摂取量が少ないなどの原因も要因と考えられましたが、上記に示した3つと比べるとそこまで影響が無いように見えました。

  

これらの結果を受け、マサチューセッツ州タフツ大学心臓専門科医であり、栄養学の教授であるDariush Mozaffarian氏はこう述べています。

  

私達の研究は、炭水化物の質の悪さが2型糖尿病の主な原因であり、また時間の経過と共に重要な関係があることを示唆しています

  

  

まとめ

・2型糖尿病は質の悪い食べ物に深く関係している

・注意すべきは、全粒穀物の不足、生成された米と小麦の過剰摂取、加工肉の過剰摂取の3点

・何を食べるかよりも、何を食べないかが重要

 

野菜などを食べるよりもまず優先されるべきは、生成された穀物や砂糖を食べないことなようです。

  

美味しいものはたまに食べるからこそ美味しい。

  

と考えながら、普段はある程度節制した方が良さそうです。

  

自分も自家製の玄米を毎日食べて健康そのものです!

 

玄米も美味しいですが、たまーに食べるラーメンや焼肉がとても美味しいんですよねぇ。

  

その時の喜びを増やすために、普段は質素な食事に努めるというのも無意識にやっていそうな気がします。

  

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