ビッグバンによって宇宙が始まってから138億年。
奇跡という言葉では表せないほどの確率により、知性を持って地球に生まれた人類。
いまだ宇宙進出を夢物語としてしか語ることができませんが、宇宙の一部を地球から覗くことは可能です。
昨年11月、JWST(ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡)は地球から135億年先にある銀河“GHZ2/GLASS-z12”を発見しました。→JWST Peers Deep Into The Universe’s Early Galaxies, Revealing Something Surprising
その後、ALMA(アタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計)によって酸素含有量から算出したところ、この銀河が形成されたのは、ビッグバンからわずか3億6700万年後だったことが明らかになり、発見の裏付けに繋がっています。
これは、それまでの再遠方の銀河とされていた“GN-z11(134億光年)”よりもさらに遠い銀河です。
宇宙初期の銀河について詳しく知る際、酸素はその調査に役立つ便利なツールとなります。
光が酸素に入ると特定の波長範囲で再放出され、その波長を調べると部分的に目立つ明るい線が現れます。
過去に同様の観測方法で遠く離れた銀河を発見し続けてきたALMAのデータから、GHZ2/GLASS-z12 の位置に近い酸素輝線を検出し、本物であると結論付けられました。
また、波長を調べていくと、銀河が水素やヘリウムよりも重い幻想を急速に大量に形成したと考えられる結果を得ることができました。
初期の宇宙は、そのほとんどが水素と少量のヘリウムで構成され、その後に星が形成されます。
形成された星のコアの中で原子が互いに衝突し、より重い元素がつくられるようになります。
そこから数億年単位の時が流れ、星の寿命が尽きて超新星爆発を起こしたとき、それらの元素が宇宙に放出されると考えられています。
では、まだ初期段階の宇宙で、なぜこのような重い元素の波長が見つかったのか。
宇宙の非常に早い段階で酸素が存在したことも含めて、GHZ2/GLASS-z12が形成されていたことが、その理由の一つとして考えられています。
参考記事)Scientists Reveal The Most Distant Galaxy We’ve Ever Found(2023年1月28日)
コメント