教育文学

ひと目で見て分かるような美点は、彼の美点ではない。~エミールより~

教育

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この記事では、ジャン・ジャック・ルソーが著した“エミール”から、子育てや生活に役立つかもしれない言葉を抜粋して紹介していきます。

     

“子どもは子どもの教育が必要である”と考えたルソーの考えを、1記事に3つずつまとめていきます。

      

またそれらの言葉がこの本の要約にもなるので、よろしければ参考までにどうぞ!

  

ジャン=ジャック・ルソー(1712~1778年)

     

   

「ひと目で見て分かるような美点は、彼の美点ではない。」

どんな身分に生まれたとしても、どんな人々の中へいっても、社交界への彼(エミール)のデビューは地味で人目を引かないだろう。

  

彼は社交界で光彩を放つような気の毒な人間であってもらいたくないものだ。

  

ひと目で見て分かるような美点は、彼の美点ではない。

  

彼は人々の判断にそれほど価値を認めていないから、彼らの偏見の前に自分の美点をひけらかそうとはしないし、人が彼を知らないうちから、人に評価してもらおうなどと考えてはいない。

  

 

「彼の態度は、控えめでもなく、自然で素直だ。」

人々の前に出る彼の態度は、控えめでもなく、自然で素直だ。

  

彼は間の悪さも、感情を偽ることも知らないし、人々の集まっているところにいるときでも、誰も見ていないところに一人でいるときと変わらない。

  

彼は自分よりも彼らを好ましく思っていないからだ。

  

けれども、彼らに無関心な態度を見せもしない。

  

到底無関心になれないからだ。

  

  

「彼はお体裁に自分の席を他人に譲ろうとはしないだろう。」

彼は誰だろうと人が不快な思いをしているのを見ていたくはない。

 

お体裁に自分の席を他人に譲ろうとはしないだろう。

  

しかし、他人がみんなから忘れられているのを見て、そのことがその人の心を苦しめていることが分かれば、親切心から喜んで自分の席を譲るだろう。

  

この青年にとっては、他人が仕方なしに突っ立っているよりは、自分の意思で自分が突っ立っているいるほうがずっと楽なのだ。

  

  

まとめ

今回はエミールが社会に出たときの自我の在り方と、彼が持つ道徳心についての話でした。

  

我こそはと鳴り物入りで華々しくデビューするのではなく、自分は自分であるという信念を持って、自分のペースで社会に足を踏み入れる……。

  

不必要に目立つよりもコツコツ自分ができることを積み重ねる……、という思想を学んでいる様子が見えます。

  

またエミールのは、余計な親切心ではなく相手の様子を見た上で必要な場合に行動するといったものですね。

 

いつでも誰にでも親切心なことも良いですし、エミールのようにポイントを絞った親切心もまた良い心がけですね。

  

相手に親切にすることで自分も幸福を感じることができることを分かっている文でした。

  

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