失楽園
人類の祖先であるアダムとイヴを創った神は、エデンの園に彼らを住まわせます。
エデンは悪という概念のない楽園の地です。
楽園で生きるため条件は、知性を得ることができる禁断の果実に触れないこと。
しかしあるとき蛇に誘惑された二人が、禁断の果実を口にしたことによって知性を得ます。
自分たちが裸であることに違和感を感じ、恥じらうようになります。
そのことから禁断の果実を口したことに気付いた神は、二人をエデンから追放してしまうのです。
これが“失楽園”です。
この失楽園について、多くの巨匠が筆を走らせています。
今回そんなアダムとイブをテーマにした絵を紹介していきます。
美術としてのアダムとイヴ
エデンの園の傑作と言えば、このルーベンスとブリューゲルの合作が挙げられます。
知恵の実の木下で蛇にそそのかされているイヴを描いています。
肉食動物も草食動物も互いに恐れず一緒に描かれていることが、悪のない楽園を表しています。
アルブレヒト・デューラー
デューラーは知恵の実を食べる直前の二人を描いています。
これよりも前にアダムとイヴの銅版画を完成させていたデューラー。
イタリアで見た古代ギリシャの彫刻から、理想的な人の身体(プロポーション)を追求した作品です。
流線形が強調されたヘレニズム美術的な雰囲気が感じられます。
ルーカス・クラナッハ
クラナッハのエデンの園はまた一味違う面白さがあります。
彼は一枚の絵に楽園での出来事を表現しました。
後ろの絵では右上から、蛇にそそのかされてから追放されるまでが描かれています。
真ん中メインの絵は、神が実を食べた二人を問いただしている様子です。
一枚にストーリーを表現するなんてユニークで面白いですね。
関連記事
コメント