今回紹介するのは地球上で最大の巨木である“ジャイアントセコイア(セコイアデンドロン)”です。
まるでジュラ紀にタイムスリップしたかのような錯覚を覚えるほどの超巨木。
そんな巨木の興味深い特徴を紹介していきます!
セコイアデンドロン
セコイア国立公園の調べによると、
根本周:31.3m
根本の直径:11.1m
高さ:83.3m
木の途中の直径:5.3m
体積:1486.6m^3
推定樹齢:2000〜2700年
となっていて、世界で最も大きな生体(体積)と言われています。
ジャイアントセコイアの大規模な伐採が行われていた19世紀ごろ、一本の木で数軒の家を建てられるほどの資材価値がありました。
ジャイアントセコイアと山火事
非常に大きな体をもつジャイアントセコイアですが、高齢になるほど成長が加速する傾向があることが分かっています。
理由は歳を取れば取るほど、葉の面積が大きくなっているためだと考えられています。
そのため寿命が尽きるまで成長が衰えない木とされています。
この木の面白い生態はまだあります。
ジャイアントセコイアの実は松ぼっくりのような形をし、種は非常に堅い殻で覆われています。
この殻は高温にならないと開くことがなく、種が外に出ないようになっています。
高温と言っても、高い気温などの程度ではありません。
数百度以上もに熱せられる必要があります。
森の中でそんな高温を引き起こす状態とは……。
そうです山火事です。
山火事によって種子を覆っている殻が割れ、周囲の木が焼けた跡の地面に落ちます。
そして種は、草木の灰を含むミネラルが豊富な土に触れることで発芽するという面白い特徴があります。
そして本体はというと、厚い樹皮と燃えくい樹液によって中にまで火の熱を通しにくい仕組みになっています。
また本体の背が高いことで落雷を引き起こしやすく、樹齢を重ねるほどに山火事が発生しやすくなり特徴も備えています。
このようにジャイアントセコイアは生存戦略として山火事を取り入れている非常に珍しい木なのです。
ジャイアント小話
かつてジャイアントセコイアが自生する森が山火事になったとき、人間が火事を消したことによって木の繁殖が止まってしまった事例もあります。
今ではジャイアントセコイアがある地域で自然に起きた火事については、なるべく消化せず自然のままに任せることもあるそうです。
また、周りが乾燥しすぎていたりすると、火の温度が高温になるために木本体が焼け落ちることもあるという中々大変な奴です。
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