【ギリシャ神話:余談】ハデスの恋

神話
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今回は物語からちょっとだけズレて、物語に関係のある余談を書きます。

 

主人公は冥界の王ハデス

 

ゼウスとポセイドンの兄弟ですが、彼らとは違いあまり女性との関係を噂されない神です。

 

ちょっと暗いけど仕事熱心でコツコツ頑張るタイプの神様。

 

そんな彼の数少ない恋バナです。

 

ハデス、誰かを好きになる

兄弟関係であり浮気性のゼウスとは対照的に、ハデスは恋に奥手でした。

 

そんなハデスが恋焦がれた女神がペルセポネ。

 

園で花を摘んでいるペルセポネを見たハデスは、その愛おしさからどうしても自分の妻にしたくなりました。

 

ペルセポネの父は兄弟でもあり最高神のゼウス。(複雑すぎぃ!)

 

ハデスがゼウスに直談判すると、

 

「仕事熱心なハデスであれば心配なかろう…。」

 

とペルセポネを妻にすることを許可します。

 

しかし、恋のノウハウを知らないハデスは、衝動のままにペルセポネを誘拐し冥界に連れて行ってしまいます。

ピーテル・パウル・ルーベンス作「ペルセポネを連れ去るハデス」

 

母デメテルの怒り

父ゼウスの独断によって娘が冥界に連れていかれたことに、ペルセポネの母デメテルは怒りました。

 

豊穣を司るデメテルが怒ったことで、地上の作物が育たず空前絶後の大飢饉がもたらされました。

 

このことに慌てたゼウスは、すぐにペルセポネを帰すようハデスに言いました。

 

一方冥界では、ハデスがどれだけ心優しくペルセポネに接しても、彼女は心を開きません。

 

そんなときにゼウスからの帰還命令が出たものだから彼女は大喜び。

 

ハデスとおさらばできる!とすぐに天界に帰る準備をします。

 

ハデスは最後の頼みとして一言…。

 

「私と一度だけでも食事をしてくれないか?」

 

ペルセポネは連れ去られたとは言え、健気に接してくれたハデスの最後の頼みを聞き、冥界のザクロの実を12粒あるうち4粒食べました。

 

しかしこれには裏がありました。

 

それは、

 

冥界の食べ物を食べた者は冥界の住人になる

 

というものでした。

ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ作「ペルセポネ」

 

ゼウスの提案

ペルセポネが冥界のザクロを食べたことを知ってゼウスは頭を悩ませます。

 

ペルセポネを冥界から帰さないと、デメテルの怒りによって地上の人々が飢饉で滅びてしまうからです。

 

そこでゼウスは、ある提案をします。

 

「冥界のザクロと言っても全て食べたワケではなかろう…。」

 

「12粒のうち4粒食べたのであれば、12か月のうち4か月は冥界にいるのはどうだ?」

 

デメテルの怒りを収めるためのアイデアを絞り出し、なんとかその場を乗り切ります。

 

この約束通り、ペルセポネは12か月のうち4か月は冥界で過ごすことが決まりました。

 

これによって、豊穣の神デメテルが娘に会えない4か月の間、悲しみのあまり役目を放棄するため、地上ではが訪れることになります。

フレデリック・レイトン作「冥界帰りのペルセポネとそれを迎えるデメテル」あとヘルメス

 

冥界の女王

デメテルの怒りは収まりましたが、結婚の話はなくなっていません。

 

形式上はハデスの妻になった彼女ですが、もちろんハデスに心を開くことはありませんでした。

 

ハデスはあの手この手で言い寄りますが、何をしても振り向いてくれないペルセポネ。

 

しかし、彼女が本当に嫌がることは絶対しませんでした。

 

そんなある日、愛の無い生活に耐え切れず、ハデスはメンテという妖精を可愛がり始めます。(ハデスの数少ない浮気シーンです。)

 

何とこれに嫉妬したのは、あれだけ心を動かさなかったペルセポネ。

 

「お前など雑草になってしまえ!」

 

とメンテを踏みつけ、香り高き草(ミント)に変えてしまいました。

 

彼女はハデスの献身的な態度に、少しずつ心惹かれていたのです。

 

こうして自分の気持ちに気づいたペルセポネ。

 

これがきっかけでハデスと本当の意味で夫婦となり、今では冥界の女王になり夫ハデスと共に死者を裁く神になったのです。

フランソワ・ペリエ 作「ハデスとペルセポネに会うオルフェウス」

(仲良さげに暮らしている様子が描かれていますね。)

 

因みに、彼女が冥界から帰ると母デメテルが仕事をし始めるので、ペルセポネは春の訪れを知らせる神としても知られています。

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