文学

ブラック・コメディな戦争小説~キャッチ22~

文学

1961年にジョーゼフ・ヘラーによって書かれたキャッチ22

 

第二次世界大戦中のアメリカ空軍の爆撃隊員が主人公の物語です。

 

戦争を舞台に、時には笑え、時には引くようなブラックコメディーが描かれています。

 

キャッチ22の意味=矛盾した状況、理不尽

第二次世界大戦 B-25爆撃機

第二次世界大戦中、航空を飛ばすことはとても危険でした。

 

なので、飛行士にはルールがありました。

 

そのルールの一つがキャッチ22です。

キャッチ22には、

「狂気に陥った人は戦闘任務を免除される」

と決められています。

 

爆撃機のパイロットである主人公のヨッサリアンは、本来決められた出撃回数をこなして帰国するつもりでした。

 

しかし、爆撃中隊を指揮する将軍たちが事あるごとに規定の出撃回数を増やしていくので、ヨッサリアンは不満タラタラです。

 

ある時彼は、軍医に精神障害を理由に兵役の免除について相談します。

 

ヨッサリアン「爆撃機は危険な乗り物だな?」

軍医「イエス」

ヨッサリアン「危険な乗り物に乗っている俺たちは狂気だよな?」

軍医「イエス」

ヨッサリアン「であれば戦闘任務は免除されるよな?」

軍医「ノー」

ヨッサリアン「それはなぜだ?」

軍医「本当に気が狂っているやつは、自分が狂っていることに気づかない」

ヨッサリアン「?」

軍医「だから気が狂っていると自覚しているキミは正常なんだよ」

 

つまりどんなに理屈を重ねても、今の状況を変えることはできないってことを表しています。

 

このことが、「キャッチ22=矛盾した状況、理不尽」という意味になっています。

 

【映画】キャッチ22

この作品は映画化もされていて、小説が手元に無い人は2時間ちょっとの映画でもキャッチ22を楽しむことができます。

官僚的で無能感溢れる上司や変わり者すぎる隊員たち。

 

状況を変えることができない主人公の懸命な行動の結果から、(何でこんなことになってんの?笑)って思う場面が多々あり、コメディチックに楽しむことができる作品です。

 

話が進むに連れて真相が明らかになってくると、もっと物語に没頭できる。

 

そんな作品です。

 

小説の方では、時間軸に沿わず回想と現実を往来し、戦争の混沌を表現しているところもあり、結構しっかり読まないと場面を見失うときがあります。

 

映画でも時間の往来がありますが、映像になっている分かなり分かりやすくなっていて、ストーリーにも集中できると思います。

 

全体のストーリーを知ったあとに見返すと、また違った見方ができるのでそういった意味でも楽しめる作品です。

 

豆知識

記事の中で、「キャッチ22=矛盾した状況、理不尽」という意味を持つことを紹介しましたが、実際に文として使う事もできます。

 

It’s a catch 22 situation.

どうしようもない状況だね。

 

とか…

 

It is a catch22 , isn’t it?

それ…、矛盾してない?

 

などとして活用できます。

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