ビザンツ美術
527年からの40年間は、美術史においてビザンツ美術の第一次黄金時代と言われれています。
この時期に、コンスタンティノープルのハギア・ソフィアやサン・ヴィターレ聖堂などの傑作が作られました。
ビザンツ美術の大半は、宗教をテーマとしています。
聖書の物語や、聖なる人物の理想化された姿を表したものがとても多いです。
ギリシャ・ローマ文化では多く用いられた、裸体や実寸台の彫像は避けられる傾向にありました。
726年、ビザンツ帝国皇帝レオン3世は、キリスト教の根本の教えである「偶像崇拝」の禁止に乗っ取り、聖像禁止令を発令しました。
これによりイコノクラスム(聖像破壊運動)が起こり、イエスやマリアの像、聖堂などが壊されるようになってしまいました。
その後、イコノクラスム反対派によって破壊活動が収まったり、また破壊活動が起こったりしますが、843年にハギア・ソフィア大聖堂で開かれた教会会議にて、絵や像を崇敬の対象とすることが認められました。
聖像禁止の真のねらい
イスラム軍との戦いの中、「迫りくるイスラム軍に打ち勝つためには信仰を強く持ち、キリスト教の十戒の一つである偶像崇拝の禁止も徹底しなければならない。」という訴えもありイコノクラスムに至りました。
しかし、本当の狙いは兵力と財源の確保ではないかとも言われています。
というのも当時、ビザンツ帝国内の教会や修道院に寄贈された土地に対しては税を取ることができず、更に兵役も免除されました。
イスラム軍の侵攻を受けて財政が苦しくなったビザンツ皇帝が、財源と兵士の確保の理由付けとして聖像禁止令を出し、禁を破った土地と民を没収していったと考えられています。
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