超加工食品は近年、健康への悪影響が注目されています。研究によれば、これらの食品を多く摂取することで、肥満、心血管疾患、2型糖尿病などのリスクが高まることが示されています。
しかし、超加工食品にはホットドッグやスナック菓子から全粒粉のパンまで、非常に幅広い種類が含まれており、すべてが同じように健康に悪いわけではありません。
Johns Hopkins Bloomberg School of Public HealthのValerie Sullivan博士は、「超加工食品の中には栄養価の高いものも含まれているため、すべての超加工食品を一律に避けることを推奨するのは難しい」と述べています。
それでも、特定の食品は他のものよりも健康に悪影響を及ぼしやすいことが研究で一貫して示されています。
2024年9月に発表された研究では、心血管疾患への影響が特に大きい食品が特定されました。
では、超加工食品を減らしたいと考えている人は、どこから始めればよいのでしょうか?
その食品に変わる代替案も含めて、今回のテーマとしてまとめていきます。
参考記事)
・Limiting Ultra-Processed Foods This Year? Experts Recommend Starting With These 3(2025/01/12)
摂取すべきでない3種類の食品
以下に示す研究によると、「加工肉、砂糖入りの飲料、揚げ物」の3つの食品を優先的に減らすことを推奨しています。
1. 加工肉
「加工肉は主要な死因と一貫して関連しているため、まずはこれから取り組むのが良い」と、Harvard T.H. Chan School of Public HealthのMingyang Song教授は述べています。
参考)
・Incident type 2 diabetes attributable to suboptimal diet in 184 countries
加工肉にはタンパク質や鉄分が含まれているものの、高ナトリウムや飽和脂肪といった深刻な栄養的欠点もあります。また、国際がん研究機関(IARC)では、加工肉を発がん性があると分類しています。
代替案
• 鶏肉や七面鳥などの焼き鳥やグリルした肉
• 魚類や脂肪分の少ない赤身肉
• ローストしたチキンやツナを使った副菜
加工肉を完全に避けるのが難しい場合は、サラダやベイクドポテトにベーコンを少量加えるなど、量を極力減らして風味付けに利用するのがおすすめです。
2. 砂糖入り飲料
ソーダ、甘いコーヒーやお茶、エナジードリンク、野菜ジュースなどの砂糖入り飲料は、体重増加や肥満、糖尿病、心疾患などの原因として広く認識されています。
また、以下に示す大規模なコホート研究では、砂糖入りの飲料が心血管疾患における最悪の食品としています。
参考)
これは糖分が急速に吸収されることによる血糖値の上昇や糖代謝の異常によるものと考えられています。
代替案
• 水(フルーツやハーブを加えて風味をつける)
• 天然のフレーバー付きスパークリングウォーター
• 無糖のホットティーやアイスティー
また、ノンカロリーやゼロシュガーなど人工甘味料を含むことで低カロリーを謳う飲料であっても、糖代謝の異常をきたすことが指摘指摘されているため避けるべき食品です。
3. 揚げ物
揚げ物(フライドポテト、チップス、ドーナツ、ナゲットなど)は、高脂肪や高ナトリウムに加え、時には人工的な香料や保存料が使用されています。
揚げることで食材に風味が加わる一方で、「揚げる過程で発がん性物質が生成される可能性がある」とSullivan博士は説明しています。
さらに、これらの食品は高カロリーでありながら、栄養価が低いため、健康に良い栄養素をあまり供給しません。
また、油脂が長時間高温に晒されることによる酸化や高温調理による終末糖化産物(AGEs)の発生など、老化促進の原因となる物質が現れる点も大きな懸念点です。
代替案
• フライドポテトの代わりにローストポテトを選ぶ
• 茹で料理や蒸し料理を選択する
まとめ
・以下の3つの食品グループを見直すことで、超加工食品の摂取量を効果的に減らせる
1. 加工肉:少量を風味付けに使用するか、より健康的な代替品を選ぶ
2. 砂糖入り飲料:水や無糖の飲み物に切り替える
3. 市販の揚げ物:煮物や蒸し料理に切り替えて健康的な食事を楽しむ
長期的に健康を維持するためには、サプリなどで何かを補給するより、超加工食品など余計な食べ物の摂取量を減らすことが良いということですね。
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