美しい体型を目指すために、カロリーオフの飲み物を選択すると必ずと言っていいほど含まれているのが人工甘味料です。
アスパルテームやスクラロースなど、材料名を見るとお前のように書かれている物質です。
甘いのに太る心配はないというのは、まるで魔法のようでもありますが、人類がこういった人工甘味料を発見したのはつい最近のことでもあります。
このことから、これらの物質を本当に理解しているのかと言われたら少し疑問が残ります。
今回はそんな人工甘味料の一つ、スクラロースについての研究に関するお話です。
参考記事)
・This Common Artificial Sweetener Can Break Down DNA, Scientists Warn(2023/06/06)
参考研究)
スクラロースの類似体による研究
ノースカロライナ大学は2023年5月、スクラロースの構造類似体であるスクラロース-6-アセテートの毒性及び薬物的な特性を明らかにする研究内容を発表しました。
スクラロース-6-アセテートはスクラロースの製造過程における不純物であり、市販のスクラロース飼料に最大0.67%含まれていることが判明しています。
ネズミを用いた研究では、糞便中にも最大10%のレベルでスクラロース-6-アセテートが存在することが分かっており、スクラロースが腸内でアセチル化されていることが考えられています。
本研究では、このスクラロース-6-アセテートが体内でどのような害を及ぼすのかについて、明らかにすることを目的としました。
DNAの損傷が疑われる
研究の結果から、スクラロースから生まれた構造物は細胞内のDNA物質に損傷を与える可能性があることが分かりました。
実験では、ヒトの血液細胞と腸壁組織を用いて、スクラロースとスクラロース-6-アセテート化合物の両方に対する反応を見るためにテストを行ないました。
ヒト腸管上皮をそれぞれに暴露させた後に、RNA-seq解析を行ったところ、誘導される遺伝子発現を明らかにしました。
特に、スクラロース-6-アセテートは、がん、炎症、酸化ストレスに関連する遺伝子の発現を有意に増加させました
ヒト横行結腸上皮の経上皮電気抵抗と透過性を測定した結果、両者とも腸管バリアの完全性を損なうことが分かりました。
これらによって腸の粘膜がダメージを受け、菌やウイルスタンパク質などの異物が血中に漏れ出す状態である、“リーキーガット”を引き起こすことが
これらの結果から研究者たちは、スクラロースの摂取とそれを含むあらゆるものの摂取を止めるべきだと警告しています。
欧州食品安全庁は、1日1本のスクラロース入りの飲料に含まれるスクラロース-6-アセテートの量を0.15μgと定めています。
これまでは、少量の人工甘味料であれば体内を変化なく通過するという研究結果に基づき、規制当局が承認していましたが、今回はそれが覆される結果となりました。
研究者らは、「スクラロースが重大なリスクを抱えているという証拠が積み重なっている。スクラロースの安全性と規制状況を再検討する時期に来ている」と述べています。
まとめ
・スクラロース-6-アセテートは体内でがんなどに関連するDNA因子の発現リスクを高める
・スクラロース及びスクラロース-6-アセテートは腸内の環境に影響を与え、リーキーガットなどを引き起こす可能性がある
・研究者らはこういった人工甘味料の使用について警告している
以上、スクラロースとその関連物質に関する研究まとめでした。
砂糖であれば吸収された後でエネルギーして体内で活用することが可能です。
一方、人工甘味料が体外に入ってきた場合、体はエネルギーとして活用しようとしているのに、そのエネルギー源が存在しないという混乱状態に陥ってしまうとも言われています。
これが腸内の活動に悪影響を与えるとも考えられており、いっそのこと砂糖を摂取した方がまだ健康的なのではないかという意見もあります。
ご飯やパンを普段から食べている人はそういった余分なエネルギーはほとんど必要ないと思いますが、たまに砂糖入りの炭酸飲料などを飲んでリフレッシュするというのも、人間が味覚を持つことの楽しみでもあります。
今回の研究を踏まえると、人工甘味料はリスクがあるかもしれないと考えて付き合っていくことが必要なのかもしれませんね。
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