混乱を極めるスペインの比喩~殴り合い~

芸術
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フランシスコ・デ・ゴヤ(1746~1828年)

今回の絵画カテゴリーはフランシスコ・デ・ゴヤの黒い絵シリーズの紹介です。

 

当時の社会情勢を揶揄したとも取れる、ゴヤが描いた一枚の絵を紹介します。

 

 

殴り合い

フランシスコ・デ・ゴヤ作「殴り合い」(1820〜1823年)

 

今回はある二人の男性を描いた作品“殴り合い”です。

 

黒い絵が飾られていた家の、2階左手奥に配置されていた絵です。

 

 

棍棒での決闘などとも題されるこの絵は、二人の男性が棍棒で殴り合う様子が描かれていますが、その足は地面に埋まって身動きが取れません。

 

ゴヤによる解釈は未だに謎ですが、その頃の彼を取り巻く情勢を考えると、スペインとフランスの対立やスペイン内での旧体制派と新体制派の対立など国内での内乱を色濃く表していると考えられます。

 

 

当時のスペイン情勢

1800年初頭の頃のスペインは、王位の継承を巡る争いや政治不安からくる暴動など混乱の最中にありました。

 

フランス皇帝ナポレオンはその様子をみて、スペインを直接統治しようと考えました。

 

ジャック=ルイ・ダヴィッド作「サン=ベルナール峠を越えるボナパルト」(1801~1805年)

 

1808年の3月、フランス軍をスペインに投入しマドリードまで侵攻します。

 

5月2日、そんなフランス軍のやり方に民衆は反発し、フランス軍に対し蜂起しました。

 

その様子を描いた絵が“1808年5月2日”です。

 

フランシスコ・デ・ゴヤ作「1808年5月2日」(1814年)

 

蜂起した民衆は捕らえられ、数百人が処刑されてしまいます。

  

フランス軍によるスペイン占拠を直に目にしていたゴヤは、その様子までも絵として残します。

 

それが“1808年5月3日”なのです。

 

フランシスコ・デ・ゴヤ作「1808年5月3日」(1814年)

 


 

そう考えると、棍棒で殴り合う彼らは一体何を表しているのでしょうか…。

 

 

片方の男は頭から血を流していますが、対等に武器を持ち果敢に戦っています。

 

解釈はそれぞれですが、自分的には両方ともスペインの派閥を表しているよう感じます。

 

逃げられない運命の中で互いに打ちのめし合い、このままでは最後は国が滅びるであろうという憂いが込められているのではないでしょうか? 

 

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