科学

乾電池の主役~マンガン~

科学

銀白色の金属であるマンガン。

  

鉄の次に広く分布する重金属(比重が4以上)です。

  

単体としては産出はせず、軟マンガン鉱や菱マンガン鉱などとして産出します。 

  

菱マンガン鉱(MnCO3)

  

主に合金や電池に使われることが多いです。

 

  

合金としてのマンガン

マンガンそのものは鉄より硬いですが、もろいという性質があります。

 

しかし鉄などに混ぜ合金にすると、引っ張りや衝撃に強い金属になり、鉄道のレールやワイヤーなどに使われるようになります。

  

とは言っても、鉄(Fe)とマンガン(Mn)の合金であるフェロマンガンの主な使い方は、製鉄における脱酸剤・脱硫剤がほとんどになります。

  

フェロマンガン(FeMn)

 

  

電池としてのマンガン

身近なところではマンガン乾電池がよく聞くところだと思います。

  

マンガン電池は内側の正極に二酸化マンガン、外側の負極に亜鉛を使い、電解液に塩化アンモニウムや塩化亜鉛などが入っています。

 

  

集電体には炭素棒が使われています。

  

新品の電池から炭素棒を引き抜くこともでき、電源装置などと合わせて簡単な電気分解などに使用することができます。

  

マンガン乾電池には、休ませると使うと電圧が少し回復する特徴があるため、置き時計などの低電力で長時間動くものや、コンロの点火など瞬間的に高い電力を使うものに適しています。

  


アルカリマンガン電池は、普通のマンガン電池とはマンガンと亜鉛の場所が逆になっています。

  

外側のプラス極に二酸化マンガン、内側のマイナス極に亜鉛を使い、電解液に水酸化カリウムなどが入っています。

  

  

集電体には真鍮棒などが使われています。

  

マンガン電池に比べて電解質の電気抵抗が小さいことや、構造上マンガンや亜鉛を多く入れることができるため、電流を多く流すことができます。

  

アルカリマンガン電池は、パワーが強く長時間使うことができるので、ミニ四駆などのモーターやCDプレーヤー、強力なライトなど、より電力を必要とするものに適しています。

 

  

人体においてのマンガン

人体では必須元素のひとつとされるマンガン。

  

骨の形成や血液の凝固、消化や代謝の促進などに関係するとされています。

  

マンガンが不足すると成長の以上や糖尿病、生殖能力の低下などが起こる可能性があります。

  

通常の食事でマンガン過剰になることは稀ですが、精鉄の仮定でマンガンに曝露された例だと、頭痛や関節痛、錯乱、平衡感覚障害などが起こった例が報告されています。

  

マンガンを多く含む食べ物の代表は、卵、ナッツ、オリーブオイルなどが挙げられます。

  

  

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