芸術

どこか悲しさを感じるキリストの母〜小椅子の聖母〜

芸術

ラファエロ・サンティ

 

37歳という短い生涯において、非常に多くの作品を残したラファエロ・サンティ。

 

聖母をモチーフとした絵画だけでも50点以上描いたことが確認され、“聖母の画家”とも呼ばれました。

 

今回はそんな彼が描いた聖母画のひとつ、“小椅子の聖母”を紹介します。

 

 

小椅子の聖母

ラファエロ・サンティ作「小椅子の聖母」1513〜1514年頃

 

聖母マリアがイエス・キリストを抱いた様子を描いた“小椅子の聖母”

 

我が子を優しく抱くマリアですが、表情はどこか憂を感じさせます。

 

これからキリストに与えられる運命を感じ取っているかのように見えます。

 

また二人を見ている洗礼者ヨハネも表情も、この先のストーリーを予見させるものに感じます。

 

この絵が誰に依頼されたものかは分かっていませんが、絵に描かれている椅子の形から、教皇レオ10世ではないかと言われています。

 

 

 

ラファエロはレオ10世の肖像画も描いていることから、関係も深かったようです。

 

ラファエロ・サンティ作「レオ10世と二人の枢機卿」1518年

 

 

豆知識

ラファエロは「美人を描くには美人を見なければいけない」と言っていたそうです。

 

彼自身ハンサムで有名なうえ、宮廷で従事していた経験から一流の教養やマナーを身につけていました。

 

彼の周りには常に女性が取り巻いていたことから、美しくも親しみのある女性を描くことができたとされています。

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