人肌でも溶け、金属をボロボロにする~ガリウム~

科学
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ガリウム

ガリウムは青みを帯びた銀白色の金属です。

 

1870年にメンデレーエフがエカ=アルミニウムとして存在を予言した元素のひとつでもあります。

 

1875年にポール・ボアボードランがガリウムを発見し密度を測った際、その実測値が5.94であったのに対し、メンデレーエフの予測値は5.9とかなり近い値でした。

 

この結果は、それまで軽視されていたメンデレーエフの元素予測が脚光を浴びるきっかけになりました。

 

ガリウムはアルミや亜鉛を精錬したときに副産物として得ることができます。

 

半導体の素材として使われることが多く、コンピュータや携帯電話などの電子機器に利用されています。

 

融点は29.756℃と低く、手のひらに乗せることで溶かすこともできますが、その際は保護用の手袋などを付けた方が良いです。(手についた汚れが取れなくなる可能性もあります。)

その一方沸点は2229℃と高く、液体の状態で存在できる幅が広いため、高温用温度計としても用いられます。

 

ガリウムとダイオード

ガリウムは青色発光ダイオード(LED)の材料としても使われています。

 

発光ダイオードの歴史も意外と古く、100年以上の歴史があります。

 

今から115年前の1906年、イギリスの科学者ヘンリー・ジョセフ・ラウンドが炭化ケイ素に電流を流したところ、黄色く発光することを発見。 

 

様々な改良を施し、1962年アメリカの科学者ニック・ホロニアック氏が赤色の発光ダイオードを発明します。

 

このときの発光効率は0.01%という微弱なものでしたが、この功績によって彼は発光ダイオードの父と言われるようになります。

1928年11月3日~(2021年現在)

それを実用化レベルまで引き上げた人物が、ミスター半導体の異名を持つ西澤潤一氏でした。

 

1972年になるとアメリカの電気工学者ジョージ・クラフォード氏が、ガリウム、ヒ素、リンを使って黄(黄緑)色の発光ダイオードを開発。

 

光の三原色のうち2色は実現することができましたが、最後の純青色のLEDだけは実用化が困難とされ、20世紀中の実現は困難とされていました。

 

しかし1986年、青色LEDの研究をしていた赤崎勇氏と天野浩氏らによって高純度の窒化ガリウム結晶の生成に成功。

 

1993年に中村修二氏によって高輝度青色LEDの発明に至りました。

中村 修二(1954年5月22日~2021年現在67歳)

これによって光の三原色が揃ったことで、人が認知できるあらゆる色の表現が可能になりま

した。

 

ガリウムの金属腐食

ガリウムにはアルミニウムや銀といった金属に侵食する作用があります。

 

映像のようにアルミニウムにガリウムを垂らすと次第に染み込んでいき、侵食した部分からボロボロ崩れてきます。

 

これは、金属の結晶同士の間に存在する結晶粒界という界面に、ガリウムが入り込み結晶粒界の強度を弱めてしまうことによるものです。

 

金属に限らず結晶を作る際にこの結晶粒界に不純物が入り込むと、物体の破壊の起点になったりします。

 

つまりガリウムが侵食した金属は破壊の起点だらけになってしまったということですね。

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