見る人によって解釈が変わる絵~パラスとケンタウロス~

芸術
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パラスとケンタウロス

この絵からどんな印象を受けますか?

サンドロ・ボッティチェリ作「パラスとケンタウロス」

これは、サンドロ・ボッティチェリが書いた「パラスとケンタウロス」です。

 

ルネサンス時代を大きく発展させてきた一族メディチ家が、ボッティチェリに依頼して書いてもらった作品の一つです。

 

女神のパラス(ギリシャ神話の神アテナの別名)が、ケンタウロスの髪を掴んでいるような絵です。

 

では冒頭の問いかけに戻りましょう!

この絵からどんな印象を受けますか?

・悲しんでいるケンタウロスを優しく撫でて慰めている

・パラスがケンタウロスに何か尋ねている?

・パラスがケンタウロスを罰している

…。

 

様々な憶測が経っていますが、ボッティチェリがどのような背景、意図でこの絵を描いたのか、またメディチ家が描かせたのかは今も謎のままです。

 

単純に見ると、パラス・アテナがケンタウロスを罰しているように見えます。

 

もし粗暴なケンタウロスだったら…

ケンタウロスは元々粗暴で好色、本能的で野蛮な種族とされています。

ジュールス・イーライ・ドローネー作「ヘラクレスの妻を攫うケンタウロス(ネッソス)」

 

中には賢者ケイロンのような、知性と武芸に長けた超エリートが生まれたりもします。

 

英雄ヘラクレスや英雄アキレウスの教育係を担ったりと、物語の師匠役に欠かせないキャラクターです。

ジャン=バプティスト・ルニョー作「賢者ケイロンとアキレウス」

もし粗暴なケンタウロスだったなら、「パラスとケンタウロス」の絵は、理性が本能を抑えているようなイメージから、パラスがケンタウロスを懲らしめているような印象を受けますね。

 

もし賢者ケイローンだったら

この絵、よく見ると二人の間に船が描かれていることに気づきます。

 

なぜ小さくも船が描かれているのか。

 

しかも二人の間に。

ケンタウロスとパラス・アテナと船…。

 

・ケンタウロス=アキレウスの師匠・パラス・アテナ=トロイア側の守り神(アキレウスの敵側)・船=ギリシャ軍の兵(アキレウスの所属している軍)

 

二人はトロイア戦争の行く末を見つめていて、ケンタウロスに対して船が背を向けていることから、アキレウスの死を予見していて、彼の死を理解しているケンタウロスをパラスが慰めている

 

といった解釈もできます。

 

トロイア戦争中、トロイア城塞からパラス・アテナの象徴である「パラディウム」が盗まれたことによって、パラスがトロイア守護から離れたことも対立ではなく慰めの解釈に繋がった可能性も考えられますね。

 

人によって見方が変わる絵。

 

これもまた、ボッティチェリの名画の一つの楽しみ方ですね。

 

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