哲学

言語ゲーム~ウィトゲンシュタインの言語哲学(後編)~

の続き…。    前回のまとめ ・言葉(言語)は世界を写し取る写真である ・言葉が無ければ世界を認識することはできない ・言語には日常言語と科学的言語がある    前編ではウィトゲンシュタインが考える言語について書きました。    彼は、客...
哲学

語りえぬものについて、ひとは沈黙しなければならない~ウィトゲンシュタインの言語哲学(前編)~

ソシュールに続き、言語学や哲学において多大な影響を与えたウィトゲンシュタイン。    彼もまた哲学に魅了され、取り憑かれた人物の一人です。    現代哲学への扉を開いたとも言われる探求者の頭の中を覗いてみましょう。    ルートヴィヒ・ウィ...
哲学

言語は世界を区切り認識させる~ソシュールの言語哲学(後編)~

の続き…。 【前回のまとめ】 ・すべての言語は記号の体系である ・シニフィアンは文字や音声、シニフィエはイメージや概念と定義づける ・言語は世界に区切りをつけることができる    前編ではソシュールが考える言語について書きました。   後編...
哲学

言語は記号である~ソシュールの言語哲学(前編)~

“言語学の祖”と呼ばれたフェルディナン・ド・ソシュール。    ソシュール以前の言語学は“歴史言語学”と呼ばれ、言語の統計や言語が持つ特異性、どのように広がっていたのかを中心としていました。    そんな中ソシュールは、自身の言語研究を通し...
教育

人は自分を忘れているときにこそ、自分のために働いているのだ。~エミールより~

前回記事 この記事では、ジャン・ジャック・ルソーが著した“エミール”から、子育てや生活に役立つような言葉を抜粋して紹介していきます。      “子どもは子どもの教育が必要である”と考えたルソーの考えを、1記事に3つずつまとめていきます。 ...
芸術

ヒエロニムス・ボスが描く人間の堕落〜快楽の園〜

一言で言ったら“奇抜”。   そんな奇天烈な絵を描いていたヒエロニムス・ボス。   想像上の生き物を人間と交えて描いた彼の作品は、後のシュルレアリストたちに大きな影響を与えることになります。   今回はそんな奇才ボスの絵画について見ていこう...
経済

縛られた労働者~資本論⑭~

(前回記事↑)    前回の資本論では、資本の増大がもたらす影響についてまとめていきました。    競争に勝った資本家の力は大きくなり、小さな資本家を飲み込んでいく……。    労働者は自分達の労働によって剰余価値を増やすも、その剰余価値は...
芸術

北のモナ・リザ~真珠の耳飾りの少女~

"真珠の耳飾りの少女”は、ヤン・フェルメールが描いた数少ない上半身画のひとつです。   モデルが誰か明らかになっていないことから、フェルメールのトローニー(特定されない人物の胸から上を描いた作品)ではないかと言われています。      暗い...
科学

【記事まとめ】エドワード・ジェンナーとワクチン

今回の更新は天然痘ワクチンの開発者にして、人類初のワクチンを生み出した人物エドワード・ジェンナーについて記事です。    以前書き出したものをリライトしてまとめました。    ジェンナーについての前編、後編とワクチンについて少し触れた記事に...
雑学

皆が打つと弱者を守れる~ワクチンと集団免疫~

エドワード・ジェンナーの話に続き、ウィルスと免疫についての話になります。     彼が生み出したワクチンという概念が後世に与えた影響は、良い意味で計り知れません。    今回はそんな予防医学の中心で活躍する“ワクチン”の雑学について触れてい...
歴史

人類初のワクチン開発(後編)~エドワード・ジェンナー~

の続き…。 ~前回までのまとめ~ 幼少期に受けた人痘法による苦い経験から、外科医になるべく修行を始めるジェンナー。    ジョン・ハンターの元で研修をした際、とある牛飼いの娘が診察に訪れる。    診断の結果、天然痘の疑いありと告げるも娘は...
経済

資本に踊らされる資本家と労働者~資本論⑬~

(↑前回記事)   前回の資本論は、生産活動についての考え方をまとめていきました。    単純再生産は、1回目、2回目、3回目……、とずっと同じ額の資本で行う生産活動のことを言いました。   拡大再生産は、1回目に増えた剰余価値を2回目の生...
歴史

人類初のワクチン開発~エドワード・ジェンナー(前編)~

人類と感染症との長き闘いの中で、救世主とも呼べる功績を残した人物エドワード・ジェンナー。   今回は、近代免疫学の父でありワクチンによる病気の予防という概念を作り上げたジェンナーについてフォーカスを当てていこうと思います。      天然痘...
哲学

フランシス・ベーコンの~経験論~

15~16世紀に起こったルネサンスと宗教改革によって、神を絶対視する世界は崩れていきました。    人々は教会の教えを盲信せず、合理的に物事を考えるようになっていきます。    その一例が、ガリレオ・ガリレイやケプラーが唱えた"地動説”です...
経済

単純再生産と拡大再生産~資本論⑫~

(↑前回記事) 前回の資本論では、時間給や日給などの現在に通ずる賃金形態をもとに、搾取の構造を読み解いていきました。    中でも出来高払いは資本家にとって最も都合の良い賃金形態であり、労働者が労働者を搾取する構造さえ生み出すとマルクスは言...
哲学

絶対王政か抵抗する権利か~社会契約~

社会契約 社会契約の根底には、以下の考えがあります。 ・過去の人類には政府も法律もなかった    ・この最初の人々は、自分の身の安全を確保し経済的繁栄の条件を生み出すために、ある合意を結んだ    ・法による安定や安全と引き換えに、すべての...
哲学

この世に物質的なものは存在しない~ジョージ・バークリー~

ジョージ・バークリーは、アイルランドの哲学者です。    彼の哲学観念は、観念論と有神論に重きが置かれています。    バークリーの観念論は、この世に物質的なものは存在せず、霊や精神、魂などの概念や思想のみが存在するという考え方です。   ...
哲学

ホッブズが唱えた社会契約の形~リヴァイアサン~

17世紀、ベーコンやロックなど同世代の人物に、経験論や大陸論とは少し違った思想を持つ人物たちがいました。    トマス・ホッブズとジャン・ジャック・ルソーです。    絶対王政やフランス革命などに大きな影響を与えることになる"社会契約説”の...
宗教

布教師たちは日本に行っているのか。~エミールより~

前回記事 この記事では、ジャン・ジャック・ルソーが著した“エミール”から、子育てや生活に役立つような言葉を抜粋して紹介していきます。      “子どもは子どもの教育が必要である”と考えたルソーの考えを、1記事に3つずつまとめていきます。 ...
歴史

人類の初の人工真空~エヴァンジェリスタ・トリチェリ~

イタリアの物理学者エヴァンジェリスタ・トリチェリは、"真空”に関する実験で自然科学に大きな発展をもたらした人物であり、"気圧”を発見した人物です。    今回はアリストテレスの仮説では説明できなかった、"真空”と"気圧”についてまとめていこ...
経済

時間賃金と出来高払いでの搾取~資本論⑪~

(↑前回記事)   前回の記事では“労働力の価値と労働の価値”についてまとめていきました。    労働者も資本家も労働力を売買しているはずなのに、お金は労働力ではなく労働に対して支払っているということが分かりました。    この微妙な差が、...
芸術

モチーフは神曲のダンテ?~考える人~

オーギュスト・ロダンによる彫刻"考える人”は、世界で最も知られた芸術作品のひとつです。    この作品は、ロダンがフランス政府の依頼によって手掛けたものです。    元々は新設される装飾美術館の門扉”地獄の門”の飾りとして制作される予定でし...
宗教

カトリック教会の教え~7つの秘跡~

今や12億人以上のキリスト教信者を抱えるカトリック教会。    独立国家ヴァチカン市国が監督し、信仰を先導している宗教です。    またそこから2500以上の司教に分かれており、そこにカトリック教会も存在しています。   カトリックの信仰の...
神話

ルーベンスも描いた神々の揉め事〜パリスの審判 後編〜

ルーベンスも描いた神々の揉め事〜パリスの審判/ (前回記事) パリスの審判前編では、大まかなストーリーを紹介していきました。 後編では絵の中身に一歩踏み込み、何が描かれているのかを紹介していきたいと思います。       パリスの審判 ルー...
神話

ルーベンスも描いた神々の揉め事〜パリスの審判 前篇〜

パリスの審判とトロイア戦争 ルーベンス作「パリスの審判」1632〜1635年頃    前回紹介した十字架昇架&十字架降下に続き、ルーベンスの“パリスの審判”の紹介です。    絵画におけるパリスの審判は、ギリシャ神話のひとつであるトロイア戦...
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